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「師匠、僕はこの食パンで店を開き勝負をします。」
「駄目だ……このパンは、ワシの味。
お前に簡単にやる訳にはいかん……
悔しかったら、ワシの食パンを越えてみろ!
マネなら誰でも出来る。
オリジナルで、お前でしか作れない食パンを作ってみろ!
下手に菓子パンなんて作っても失敗するだけだぞ!
早く帰って、女房の所へ行ってやれ!
今日が大事なレースの大会だろうが!」
「は、はい。」
僕は急いで、新幹線に飛び乗った。
女子国内ロードレース当日
『今年、最後のビックレースが筑波サーキットで開催されようとしてます。
やはり目玉は、優勝候補の山﨑美和でしょう。
向かう所敵なし、しかし、今年、美肌化粧品会社がプロバイクレースに参入して彗星のように現れた加藤明美選手。
山﨑美和と人気を二分する勢いです。
旦那はCMでも流れている、元イケメン5のボーカル加藤健二です。
彗星のように消えた会社員アイドルですが……』
「絶対にあの女、許せない!
皆んなであの女を前に出させないようにマークするのよ!」
「えっ、それって……美和さん」
「私に口答え⁇⁇⁇」
「わ、分かりました……」
「分かれば良いのよ!」
僕は筑波サーキットにギリギリ間に合った。
『それでは選手紹介です。
加藤明美選手です。』
歓声に送られてアケビさんが紹介された。
アケビさんの右手には、美肌化粧品が握られ、そして左手には、変な人形を持っている。
なんなんだ?アケビさん、何持ってるの⁇
もしかして、あのフィギュアは……僕⁇⁇
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