第5ミッション 子供を作ろう。

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 アケビさんの前に沢山の関係者が集まった。 「大丈夫ですか?」 「は、はい…全然、大丈夫です。」 「いやっ、なんか有ったら大変です。  担架に乗って下さい。」 「わ、私、レースが……」 「もう、無理です!急いで担架に乗って下さい。  後方からバイクがやって来ます!急いで!」  アケビさんはレース棄権となって担架に運ばれた。 「ア、アケビさん…大丈夫ですか?」 「悔しい!せっかく、追い付こうとしてたのに……私がハンドルを取られるなんて……」 「誰でも、ミスは有るよ!それよりケガは?」 「不思議に全く痛くないの!擦り傷も無し!」  なんて言う人だ……  アケビさんは鉄人なんだろうか⁇  取り敢えず、救急車で病院に搬送された。 「ど、どうなんですか?先生、アケビさんは後遺症なんて出ないんですか?」 「加藤さん、大丈夫ですよ。  あれだけの転倒で無傷なんて奇跡ですよ。  それに何故、ご主人の貴方がレースに参加することを止めなかったんですか?」 「どう言う事ですか?」 「お腹の赤ちゃんが居るって事を……  6週目ですよ。  明美さん、あなたも分かっていたんでしょ……」 「えっ…………私のお腹に赤ちゃん⁇?」 「赤ちゃんも元気ですよ!  ほらっ、元気に動いてるでしょ!」 「カトケンさん!私達の赤ちゃんだよ!」 「ほ、本当だ……信じられないよ。  ぼ、僕とアケビさんの赤ちゃんだなんて!」 『おい、おっさん、初孫、おめでとうよ!』 『あ、ありがとうございます。』 『これから、おっさんはどうするんじゃ⁇』 『これからも、ずっとあの2人と初孫を見守って行くつもりです。』 『どこで……』 『えっ……今まで通りに、助六さん宅にお邪魔になる予定です。  輪奈美の家に居たらツクシって野郎と仲良くしてるし、新婚の明美の家じゃ迷惑だしね。』 『なにぃ〜……あの家に、おっさんも居たのか⁇⁇』 『は、はい。  私はよそ者なんで屋根の隅に隠れてました。』 『怖っ、幽霊じゃ……』 『トメさん、ワシらも幽霊じゃぞい。  どうりで助六の奴、最近ノイローゼぎみになってるんじゃ……』 『私のせいですか?』 『しかし、ワシらの生活は覗いてはならんぞ……』 『私は、爺さん婆さんなんて興味有りません……』 『なんじゃと!』     
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