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僕はパン屋のオープンに向けて試行錯誤していた。
「アケビさん、出来ました!食べて見て下さい。」
「確かにカトケンさん、腕は上がってるよ。
でも……カトケンさんの師匠が作った食パンとは違うんだよね……
あんな衝撃は全く感じないし……」
「しかし、作り方は一緒だよ。
師匠から厳しく指導されたから作り方には間違いが無いと思うんだけど、違うのは材料と小麦粉、石窯だけなんだけど……」
「カトケンさん、小麦粉は何処の⁇」
「安いから海外のを使ってるよ。」
「きっと小麦粉だよ。国産のに変えてみようよ。」
「うん。」
ー翌日ー
「アケビさん、出来ました!国産の小麦粉で作った食パンです。」
「うん!もっと美味しくなった!
でも、ちょっと違うんだよなぁ……なんだろう……水は何処の水⁇」
「水道水だよ。」
「す、水道水⁇カトケンさん、師匠も水道水を使っていたの?」
「師匠は朝早くから何処に出掛けて、水を汲んで来てた。」
「カトケンさん……師匠に付いて行かなかったの⁇」
「僕は朝が弱いから、師匠は無理して起こさなかったと思うよ。」
「カトケンさん、違うよ。
水も自分で探せって言う意味なんだよ……きっと!」
「水でそんなに変わるの⁇⁇」
僕は助六さんに美味しい湧水が出てる所がないか聞きに行った。
「み、水⁇
それどころじゃ無いよ……屋根裏から異様な声がするんだ……」
「どんな声ですか?」
「ババァとジジィとおっさんの声が……
覗くんじゃないぞ〜〜だって……
こっちが覗かれてる感じがするに気持ち悪い。」
「あんまり、気にしない方が良いですよ。
ゆっくり休んで下さい。」
「……。」
助六さんに聞いた僕はアホだった。
僕は役場に聞いてみた。
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