【第6ミッション僕達の赤ちゃん誕生!】

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 ー役場ー 「あっ……加藤さん、す、すみません。  以前、課長が加藤さんが万福村に引っ越した事をマスコミに流しまして……」 「えっ……何の事なんですか?⁇マスコミに言ったんですか?」 「い、いえっ……今回は何のご用件で?⁇」 「実は、この近くに、美味しい湧水が出てる所は有りませんか?」 「万福山の頂上付近に湧水が有名ですよ。  遥々、遠くからやって来る人もいるぐらいの名水です。  しかし、登山口から湧水まで片道1時間の山道です。」 「えっ……片道1時間……」 僕は家に帰ってアケビさんに報告した。 「アケビさん、万福山に美味しい湧水が溢れてる所が有るんだって!」 「カトケンさん、一緒に行こうよ!」 「ア、アケビさん、駄目だって!  アケビさんは妊娠してるんだよ!  しかも今は1番安定にしてないといけない時期なのに……」 「大丈夫だよ。最近、運動してないから体力が落ちてるし、ゆっくりだったら大丈夫だよ。」 『仕方ない娘じゃの〜ワシらも一緒に行くかい。』 『そうじゃの〜あの湧水までは大変な山道じゃからの〜』 『すみません。娘がワガママに付き合わせて……』 僕とアケビさんは万福山の湧水に向かって山道を進んだ。 「アケビさん、もしかして師匠も、この山に登っていたのかなぁ、それに毎日、朝早くら……  行きは、空の4リットルのペットボトル2つだけど、帰りは8リットルも背負って降りるなんて地獄だよ。」 「そこまで美味しいパンにこだわっていたんだよね、師匠は……それにしても、急な山道だね……」 「アケビさん、無理したら駄目だよ。」 『アホな夫婦じゃ…  お腹に赤子が居ると言うのに……』 『すみません……』 「あっ、アケビさん、下を気をつけて!足元が緩くなってるよ。」 「カトケンさん、たくましくなったね! 付き合った頃、梨花と一緒に山登りした時、カトケンさん、フラフラだったのに。」 「じ、実は今もフラフラです……」
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