【第6ミッション僕達の赤ちゃん誕生!】

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「カトケンさん、着いたよ、ここみたい!  沢山、湧水が溢れてる。」 「ぜぇぜぇ……アケビさん、早過ぎるよ。  やっと着いたの⁇」 『情け無い男じゃの〜』 『娘さんを助ける前に、兄さんの方が危なそうじゃの〜』 『すみません……ご迷惑を掛けまして……』 「カトケンさん、飲んでみようよ。」 「うん……」 「す、凄く美味しい……水がやわらかい。」 「本当だ……水道水と全然違う。  そうだ……ツクシさんにも教えてやろよ。  絶対、美味しい珈琲が出来るよ。」 「そうだね!あっ、なんか足音がしない⁇」 『おっさん!お前、足音鳴らしたな……』 『私じゃ有りませんよ。  だって、私、宙に浮いてますから……』 「あっ、カトケンさん……あれはツクシさんとお母さんだ……」 「本当だ!ツクシさん、お母さん、どうしてこんな所に……」 「こっちが聞きたいよ……今日は定休日だから湧水を求めて来たんですよ。  ところで健二さんと明美さんは⁇」 「あっ、明美あんた……妊娠してるんじゃないの⁇」 「うん。母さん大丈夫だよ。ちょうど良い運動だし。」 「健二さん、明美は直ぐに無理をするから宜しく頼みますね……」 「は、はい。  すみません……僕がアケビさんを止め切れなくて……でも、結局、アケビさんに助けられて登って来ました。」  僕達も美味しい水を求めてここに来たんですよ。」 「美味しい水⁇」 「はい。パンに使う水を求めて……」 「健二君、そう言えば明美さんから聞いたよ。  パン屋をオープンするんだってね!  是非、うちの喫茶店に健二君のパンを置かせて下さいよ。」 「僕のパンは食パンだけです。」 「そのこだわりが良いんだよ。  そして、ここの水は最高に珈琲に合うんだ。  さぁ、僕は16リッター担いで降りますよ。」 「この人、私には持たせないの……  俺が全部持つって聞かないのよ。」 「えっ……ツクシさん、凄いよ。  僕もさすがにアケビさんには持たせられない……  だって、妊娠してるし……  しかし、行きよりも帰りが更に地獄だ……」 『あのおっさんがお前の後釜のお父さんかいな……』 『凛々しい良い奴じゃ……お前さんの奥さんを大事にしてくれてるなぁ……』 『は、はい。』 ー六助宅ー  今日は屋根裏が静かだった…  何日ぶりだろう……こんなに熟睡して昼寝が出来たのは……
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