79人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでは、森の恵みオープンします!」
「森の恵み⁇」
一斉に店内に沢山のお客様が入って来た。
「えっ、食パンしか無いの⁇」
アケビさんは試食用を切って皆んなに配った。
「凄く美味しいわ!外はカリッと中はふわふわだわ!」
「4個下さい!」
「私は2つ! 」
「1つ、400円になります!」
食パンは飛ぶように売れた。
用意していた食パン500個が完売しそうだ.……
「師匠、まだまだ、お客様が待ってます。
どうしましょう……」
「そうかも知れないと思って、ワシも400個用意したから、それを出すか!」
「し、師匠、良いんですか?」
「馬鹿か!もちろん売り上げはワシのもんじゃワッハハハハッ!」
「師匠、試食用に切って良いですか?」
「おう!嫁さんの方が販売に向いてるんじゃないか?」
アケビさんは食パンを切って味見した。
「やっぱり、違う……」
試食用がテーブルに並んだ。
「さっき、試食したのより美味しいぞ……」
そしてその日は全て完売した。
僕は疲労で大の字に倒れた!
「大満足だぁ〜〜!やった〜大成功!」
「カトケンさん、どうして店の名前、森の恵みにしたの?」
「それは、この万福村の恵みで作った食パンを作りたかったんだぁ……」
「万福村の恵み……」
アケビさんは帰ろうとする師匠と典子さんを追いかけて行った。
「師匠の食パンと何が違うんですか?」
「聞きたいかい?材料じゃよ。」
「材料⁇カトケン残されたのは小麦粉……
カトケンさんは国産の小麦粉……」
「ワシも1個400円、健二君は400円に見合う小麦粉を使ってるかな?」
「見合う小麦粉?」
「後は経験じゃ……
2、3ヶ月そこらで完璧なパンなんぞ作れるかい!
ワシは今でも自分のパンに納得しておらんぞ。
日々、勉強じゃ……」
最初のコメントを投稿しよう!