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大繁盛は長く続かなかった。
ネットでは…
【健二さんに逢えて最高!】
【明美さん、カッコいい!】
【パンの味?凄く美味しいよ。
石窯で焼いた食パンって最高!でも少し高いなぁ……】
【私も、あの2人に逢いに森の恵みに行こうと思う!】
【初日に行ったけど、イケメン4の一馬の歌が、うるさかった!】
【美味しかったけど、もう良いかなって感じ。】
「カトケンさん、助六さんの田んぼ、麦畑だよね、助六の麦で小麦粉を作ったらどうだろう……」
「うん……でも最近、助六さんノイローゼみたいだし、今年は麦の種まきはしてないみたいだよ……」
「じゃ、駄目かぁ……」
僕の作ったパンに自信を持ってる。
今、お客の入りが悪くなったけど、そんなに忙しくないし自分の生活に満足している。
何故、アケビさんはそこまで食パンに追及するんだろう……
「アケビさんは、ゆっくりしててよ。
後は大丈夫だから!
それより、お腹の赤ちゃん、音を聞かせて!」
「うん!どうぞ!でも、まだ、3ヶ月だし分からないと思うよ。」
「でも、聞きたい!アケビさん、お願い!」
「良いよ。どうぞ!」
「ぐぅ〜」
「あっ、音がした!」
「ごめん……お腹が空いて音がなっちゃった……」
「えっ……」
「カトケンさんの作った食パン食べましょ♪」
『屏介……助六の奴、最近元気ないの〜どうしたんじゃ……』
『分からん……』
『あの娘のオヤジがちょっかい出してるんじゃないか?』
『わ、私が?してませんよ。』
『そう言えば、助六の田んぼの地下20メートル掘ったら、湧水が出るって噂が有ったぞ!』
『ワシもその噂、聞いた!』
『そうなんですか?じゃ、助六さんに知らせましょうよ。』
『そんな事をしたら余計にノイローゼが悪化するぞ!』
『ワシら年寄りじゃ、お前、掘れ!』
『私が20メートルも掘るんですか?』
『頑張れ!婿と娘の為じゃ!』
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