79人が本棚に入れています
本棚に追加
「アケビさん、助六さんの麦の収穫が7月中旬だから、それまで海外の小麦粉を使って、安い値段で商売しようと思うんだ……
何もしないと師匠から教えて貰った腕も落ちてしまうし。
それに、生まれて来る赤ちゃんの為に一人前のパパに早くなりたいんだ。」
「カトケンさん、ここの万福村でも田植え仕事で親が忙しい時は子供達ってお留守番して、子供達はお腹を空かして親の帰りを待ってるみたいなの……
私も産むまで仕事はしないつもりだし、子供を預かってカトケンさんの食パンを食べて貰いたいんだぁ……
せっかく、この村でお世話になるんだから、そして私も子供達の事を沢山知りたいの!生まれて来る赤ちゃんの為に」
「アケビさん、凄いよ、僕は大賛成!
でも、子供を産んだら、またレーサーに戻るの⁇」
「当たり前じゃん!」
そして年が明け、新たな1年が始まった。
元旦早々、店は再オープンした。
輸入の小麦粉を使った食パンだが、石窯で焼いて水は万福村の湧水。
もう、山まで汲みに行かなくても助六さん宅から調達出来る。
助六さんも馬小屋で生活してるが、最近では元気が戻って元気になった。
「助六さん、麦が収穫したら、お願いします!」
「おう、任せておけ!最高の麦を作ってお前達に1番に提供するよ!」
「ところで大丈夫なのか?食パン一個100円なんて……」
「今は、儲けなんて考えてないんです。
助六さんの麦を使っても100円で出せるように格安でお願いします。」
「えっ、輸入麦と同額って事かい?」
「は、はい……」
そして正月から沢山のお客様がやって来た。
焼くのに間に合わず昼で完売。
そして、夕方から沢山の子供達が訪れた。
最初のコメントを投稿しよう!