【第6ミッション僕達の赤ちゃん誕生!】

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 僕はひたすらパンを焼き続けた。  焼いても焼いても大赤字……。  でも、お腹を空かしてやって来て、美味しそうに食べてくれる顔を見てるだけで、子供達からパワーを貰える。  この前まで子供はあんまり好きでは無かった。  うるさいし僕自身、幼少期は友達と一緒に遊ぶのを拒んでいた。  僕は1人で遊ぶのが好きだったのに…… 「おじさん、食パン凄く美味しいよ。 でも、食パンだけだから飽きちゃったよ。 ジャムでも良いから無いの〜」 「おじさん……私のカトケンさんにおじさんとは!お兄さんでしょ!  ちょっと待ってて!冷蔵庫にリンゴジャムが有ったような……  あったよ!ジャム。どうぞ!」  ジャム…… 「アケビさん、万福村はリンゴ農家やイチゴ農家が沢山あるよね!」 「イチゴのジャム?」 「僕の家もみかん作ってるよ!」 「僕の家も!」 「僕の家はいちじくに梨だよ。」 「カトケンさん私、ジャム作りしたい。」 「おばちゃん、ジャム作るの?」 「おばちゃんだと〜!」 「今度、僕の家、イチゴのハウスが有るから、明日、持って来るよ。」 「本当に〜」 「僕の家は白菜や大根、野菜が沢山あるから、持って来る?」 「僕はお米!」  その日から家には沢山の食料が子供の親から届けられた。 「すまないねぇ〜子供達を預かって貰って、食パンまで……村の皆んな、関心してるよ。  困ったら何でも言ってよ。  ここに住んでる奴らは、皆んな家族同然なんだから!」 「ありがとうございます。」  僕とアケビさんは目の前の大量な食料に唖然としながらも本当にこの万福村に住んで良かったと感謝した。
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