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「アケビさん、僕に考えが有るんだけど僕に任せてくれないかなぁ……」
「えっ、カトケンさんどう言う事?」
「明日、スター速井さんの事務所に一馬君と行ってくるよ。」
「……。」
スター速井事務所。
「あっカトケン君、どうしたの?ビックリだよ。す、座って座って!一馬も。」
「僕達を最初で最後の歌番組に出演させてくれませんか?
そこで僕達の気持ちを視聴者に伝えたいんです。」
「歌番組に出るって事はカトケン君、分かってるの?」
「は、はい。
あの新曲をスタジオで歌うつもりです。
でも、これが最初で最後です。」
「本当に〜絶対、約束だよ。こ、これにサインして!」
そして、直ぐに歌番組の出演が決まった。
「今、8週連続オリコン1位、馬鹿なアイツに一目惚れのあの幻のアーティスト、カトケンさんがイケメン5を引き連れてスタジオに初出演して下さいました!
いらっしゃいませ!カトケンさん。
初めてのテレビ出演、緊張して無いですか⁇」
「き、き、き、緊張し、し、し、てます。」
「右手に持ってる楽器は何ですか?」
「オ、オタマトーンです。」
「オタマトーン?」
「す、す、す、すみません。
曲を歌い終わったら、ぼ、ぼ、ぼ、僕から視聴者の皆さんに一言、つ、つ、つ、伝えたい事が有るんで宜しいでしょうか……」
「はい。」
「それでは、今、人気爆発中のイケメン5、お馬鹿なアイツに一目惚れ。どうぞ!
僕はマイクに向かって、今日が最後なんだって自分に言い聞かせた。
「さぁ、皆んな行くよ!」
「おぅ!」
【♪♪♪僕は、お馬鹿なあいつに一目惚れ!イェーイ!イェーイ、oh、oh!♪♪♪♪イェーイ】
僕は歌い終わった。
周りは静まり返っている。
あれっ、スタジオは失神して倒れてる人までいる。
何が起こったんだろう……
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