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7月10日、小麦の収穫日、助六さんは最高の出来の麦を見て泣いていた。
「こんな丸々とした小麦が出来るなんて……美味しい湧水で育った小麦は最高の小麦粉になるはずだ!
こんな立派な小麦なんて見た事がないぞ!」
助六さんの家の前には万福村の村人が集まっていた。
それは、収穫日に合わせて助六さんと一馬君のお母さんの結婚式が行われるからだ。
「アケビさん、無理しなくっていいよ。
予定日は来月なんだから!
アケビさんは家でゆっくりしててよ。」
「カトケンさん酷い!私に助六さん達の結婚式を見せないつもりでしょ!」
「そんなんじゃないよ。
お腹のあゆちゃん達とアケビさんが心配なだけだよ。」
「お腹の事ぐらい私が1番分かってるって!」
アケビさんは大きなお腹を揺らせながら玄関から出て来た。
「いらっしゃいませ!明姉さん」
そこには旧イケメン3が待っていた。
「俺たち解散したから、皆んなバラバラなんだ!久しぶり皆んなに会えて嬉しいよ!
久しぶりのイケメン5復活だね!」
その隣には一馬君。
「皆んな、オレの為に集まってくれたんだ。
助六父ちゃんと母ちゃんの結婚式に馬鹿なアイツに一目惚れを歌ってくれるんだって!もちろん、オレも参加だよ。
そして、師匠ももちろん助六父ちゃんの為に歌ってくれるよな……」
「か、一馬君、僕は歌を歌わないって、自分に誓ったんだ!」
「そんな酷い事を言わないでよ。」
「カトケンさん、助六さんの為に歌ってあげて、お願い。」
「分かったよ。アケビさんのお願いだったら……」
「良かったね、あゆちゃん、パパの歌声がきこえるよ。」
「はい!カトケンさん!」
旧イケメン3のメンバー、ムサシ君からオタマトーンを受け取った。
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