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青く晴れた空。
気温は34度。
田んぼには、すくすくと育った小麦色の稲が実っていた。
「暑いよ。まだかい?明美さん。
しかし大丈夫なのか?来月が予定日だろ……」
「大丈夫!私、1回でいいから稲刈り機を運転したかったんだぁ!ちゃんと教えてね。助六さん。」
田んぼの真ん中には大型稲刈り機2台用意され、1台にはアケビさんと助六さんが乗っている。
もう1台の芝刈り機にはツクシさんが運転して隣には一馬君のお母さんの馬実さん。
「アケビさん、何て無茶な事をするんだよ……」
青空の下、ワラビお母さんがマイクを持った。
「それでは助六さん、馬実さんの結婚式と収穫祭を行いま〜す。」
親子して何でこんな行事に積極的に参加するんだ……
「それではオープニングでイケメン5による、
お馬鹿なアイツに一目惚れです。」
僕は仕方なく歌った。
【♪♪♪僕は、お馬鹿なあいつに一目惚れイェーイ!イェーイ、oh、oh!♪♪♪♪イェーイ】
そして2人を乗せた芝刈り機は同時にスタート。
南の田んぼからはアケビさんと助六さん。
北の田んぼからはツクシさんと馬実さん。
2台の芝刈り機がすれ違った時に指輪の交換が予定されている。
順調な滑りだしだ。
『あの2人が結婚したら、私達の家も狭くなりますね。』
『そうじゃの〜一馬ってアホな奴も居るし、これからおっさんは一馬と寝な!
ワシと屏介の部屋は譲らんぞ!』
『ねぇ、トメさん♡』
「だんだん近づいて来てます。」
助六さんポケットから指輪のケースを出そうとした。
「あっ、破水した……」
「えっ、だ、だ、だ、だ、大丈夫?明美さん。
あっ、ゆ、ゆ、ゆ、指輪、落としちゃった……」
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