【第6ミッション僕達の赤ちゃん誕生!】

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「助六さん、ゆ、指輪なんていいからアケビさんを早く助けて〜」  僕は泣きながら叫んだ。  助六さんは唖然としてる。  僕は咄嗟に田んぼに入った。  そして苦しがるアケビさんの元に辿り着き、急いで稲刈り機を運転して田んぼの隅に止めた。  村人の車に乗って病院へと向かった。 「アケビさん、大丈夫?もうすぐ病院だよ。」 「カトケンさん、ゴメンね……助六さんの結婚式を台無しにして……」 「そんな事、気にしなくって良いよ。  今は何も考えないで!アケビさん。  僕が居るから安心して。  病院に着くとアケビさんは直ぐに診察室に運ばれた。 「陣痛が始まってるね……急いで分娩室へ、ご主人も分娩に立ち合いますか?」 「で、でも何か怖い……まだ、1ヵ月も早いのに」 「カ、カトケンさん、一緒にいて……」 「うん、分かった。僕が近くに居るから……」 「ヒーヒーフー、ヒーヒーフーを繰り返して!さぁ、ご主人も一緒に!」 「ヒーヒーフー、ヒーヒーフー……」 「陣痛が強くなったな、もう子宮口も広がったぞ!もうすぐだよ。頑張れ。」 「アケビさん、頑張って!ヒーヒーフー……ヒーヒーフー」 「う、うん」 「ほらほら、頭が出て来たぞ!  頑張れ!頑張れ!ほらっ、出て来た。 元気な男の子だ。  ほらほら、次はまたまた頭が出て来たぞ!もう少しだ。  ほらっ、今度は元気な女の子だ。」 「アケビさん、男の子と女の子だって!」 「おめでとう!奥さんは超安産だよ。  2人共、スッポンっと元気に飛び出したよ。」 「うんぎゃ〜」 「うんぎゃ〜」  2人の赤ちゃんの鳴き声が部屋中に響き渡った。  7月10日僕達に新しい家族が誕生した。 「おめでとう。」 「あ、ありがとうございます……」 「アケビさん、よく頑張ったね!お疲れ様。」
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