第7ミッション        僕、イクメンになります。

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第7ミッション        僕、イクメンになります。

「ツクシさん、ワラビさん、助六さんの小麦粉で作った食パンを喫茶店に置かせて下さい。」 「健二君、私は輪奈美ですよ。 明美だってアケビじゃないんですから!」 「すみません……」 「もちろん構わないよ。大歓迎だよ。  今までの健二君の作った食パンでハニートーストも大好評だったが、今度は最高の食パンでハニートーストが作れるなんて僕は嬉しいよ。  でも、健二君のお店には出さないのかい?」 「僕は実力で勝負したいんです。  僕がお店を出したら、きっと沢山の人がやって来ると思いますが、それはパンを求めてじゃ無いと思います。」 「だから、うちの店で?」 「お客様が聞いても僕達が作ったって言わないで下さい。」 「そんなんじゃ、宣伝にならないよ…… 健二君は、パン屋をどうするつもりなんだ?」 「今まで通り、ネット販売と道の駅の販売にしようと思ってます。  値段を変えずに食パン100円で、それに道の駅には師匠の食パンも置いて有るので400円で師匠と勝負しないと……  前は師匠のパンと比べられて全然売れませんでしたがこれからが勝負です。 「あの美味しすぎる食パンを100円で……」 「助六さんも泣く泣く卸値をまけてもらいました。」 「助六さんもよく了承したね……」 「食パンに【助六小麦】って入れたんですよ。」 「じゃ、パンの名前は助六小麦なんだ……パンが大ヒットしたら助六さんの小麦粉はブランド麦になるかもなぁ……」  僕達は森の恵みをたたんだ。  その代わり、僕と一馬君は石窯でパンを焼き続けた。  これなら、お客さんは来ないし手の空いた時に歩美と歩夢の子守も出来る。  アケビさんも石窯でパンの焼き上がりを見てくれている。  歩美と歩夢は僕達の仕事を見て育っていくのだろうか? 「アケビさん、歩美と歩夢、熱くない?」 「大丈夫よ。2人ともじっと石窯の方を見てる。」 「ぎゃ〜」「ぎゃ〜」 「あっ、オッパイが欲しいのかなぁ、ちょっと待っててね!」 「あっ、一馬君、見ちゃ駄目!向こうで食パン箱詰めしてくれる?」 「明姉さんのオッパイなんかオレ見ないよ!」
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