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「カトケンさん、歩夢と歩美がウ◯チが出てる……」
「今は無理だよ……石窯のパンが焦げちゃう。」
「師匠、いいよ。オレ見てるよ。」
「まだ、一馬君には任せてられないよ。」
「カトケンさん、早く!どっちか見てよ!」
「わ、分かったよ。一馬君、焦がさないように薪を入れてね……」
一馬君には、だいぶん任せられるようになったが僕はどうにかして、育児から逃げようとしていた。
お風呂に入れたりもするがお風呂に落としそうで怖いし、オムツ交換なんて歩美と歩夢が暴れるから上手く出来ない……
「カトケンさん、早くしないと歩夢のお尻がかぶれるよ〜」
「わ、分かってるよ……
もう、アケビさんは歩美のオムツ交換終わったの?」
「時間との勝負よ。カトケンさん頑張って!」
「わっ、、、手にウ◯チがついちゃったよ….」
《ピンポ〜ン♪♪♪》
「アケビさん、誰か来たみたい……」
「カトケンさん、行ってよ。私が行ったら歩美と歩夢が泣いちゃうよ。」
「分かったよ……」
「あっ、梨花さんと旦那のゴリラ……」
「僕は武蔵ですよ!」
梨花さんと武蔵さんの真ん中にはヨチヨチ歩きの女の子が手を繋がれていた。
「アケビさん、梨花さんとゴリ、いやっ武蔵さんが……あっ、取り敢えず上がりって下さい。」
「明美おめでとう!わぁ〜可愛い赤ちゃん2人!」
「琴ちゃん、赤ちゃんだぞ!可愛いいなぁ〜
琴ちゃんも生まれた時はこんなに小っちゃかったんだぞ!」
「梨花、私、知らなかった…いつ生まれたの?」
「明美の事故ったレースの時には生まれていたのよ。
あの日に言おうと思っていたんだけど、レース前だから明美に気を遣わせたくなくって」
「そんな事、気にしなくても……
でも、あの時、誰に預けてサーキットの練習場に……⁇」
「ゴリラよ。この人、こんな顔して結構子煩悩なんだよ。
私が居なくっても琴はゴリラにベッタリなの!」
アケビさんは僕を見た。
僕はちょっと肩身が狭く感じた……
「僕も最初は怖かったです。
しかし、子供は愛情を掛けた分だけ応えてくれるんですよ。
今では、琴ちゃんまでゴリラって言ってますが……」
「ゴリラ〜」
僕は琴ちゃんに尋ねた。
「琴ちゃんって言うんだね。何歳?」
「2歳〜」
「パパの事好き?」
「パパ大好きだよ。お母さんも!」
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