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僕達は万福村の駅に向かった。
駅に近づくと列車のレールが見えてきた。
歩夢は普段からおとなしい。
普段は歩美の方がわんぱくで手が掛かるが、歩夢はレールを見た途端にはしゃぎ出した。
「ブーブー!」
「あっ、プラレールと一緒って分かったんだ」
「あっ、カトケンさん列車が来たよ。」
「わぁ!わぁ!」
「アケビさん、歩夢のこんな喜ぶ姿みたの初めてだよ。」
僕達は1時間掛けてゆっくり列車の旅をした。
歩美は途中から飽きて寝ている。
それに対して歩夢は最初から最後まで大喜びだ。
帰ってからも歩夢はプラレールと遊んでいた。
役場から回覧板が回って来た。
「カトケンさん、今度の盆まつりも村が盛大にするそうよ。」
「去年は歩美と歩夢が生まれたばかりだったから見に行けなかったけど、夜店なんかが沢山出て盛り上がるみたい。
カラオケ大会も有るみたいだよ。
「そうなんだ……今年は歩美も歩夢も1歳だから連れて行けるかなぁ……」
「歩美も歩夢もきっと喜ぶと思うよ。」
「あっ、祭り神輿の担ぎ手の募集が来てる。
男女問わずだって!
私、担ぎたいなぁ……」
「えっ、どこまでアケビさんは祭りが大好きなの?」
「師匠、明姉さん、オレ、のど自慢大会にエントリーしたんだぞ!」
一馬君の一言、何か嫌な予感だ……
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