第7ミッション        僕、イクメンになります。

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『いよいよ始まるな……屏介。』 『ワシは喧嘩神輿で死んだ……  でも、ワシには悔いがない!だって神輿のてっぺんに立ってただけで名誉な事だったんだ。』 『屏介さん、でも私の娘が神輿のてっぺんに立つんですよ。  大丈夫ですか?』 『おなごじゃ無理だ……そんな誰でも出来る簡単な神輿じゃない!  荒くれ者でも毎回、ケガ人続出じゃ……ワシみたいに死んだ奴だって沢山いる。』 『そんな………もし、何か有ったら助けて下さいよ。』 『お前もオバケだろ!それに前のバイクレースの時もワシらより先に助けたじゃろ!』 『あれは私もレースをしてたから勘で分かりましたが今回は全く喧嘩神輿なんて分かりませんから……』 『任せろ!お前の娘はワシらが守る!』 『ありがとうございます。』 【それでは只今から万福村と宝福村対抗喧嘩神輿を行います。】  アケビさんは白の法被姿にねじり鉢巻姿で現れた。  すでにアケビさんだけスポットライトが当たってる。  何故かアケビさんまで全国TV中継が放映されていた。  ただの万福村の夏祭りが凄い事になっている。  それにしても凄いカメラのフラッシュと大声援…… 「明美さーん頑張って!」 「明美さん!カッコ良すぎ!」  アケビさんもバイクレーサーの人気アイドルだったんだ…… 《ド、ドドン♪♪♪♪ンドン♪♪♪》  大きな太鼓の音で喧嘩神輿が始まった! 「ヨシ!さぁ、出陣だーーーー!」 「アケビさん頑張って!」 「ママ〜」 「ママ〜」 【♪♪♪僕は、お馬鹿なあいつに一目惚れイェーイ!イェーイ、oh、oh!♪♪♪♪イェーイ】  イケメンメンバーもアケビさんのために歌い出した。 「カトケンさんも歌ってよ!」 「わ、分かったよ……」 【♪♪♪僕は、お馬鹿なあいつに一目惚れイェーイ!イェーイ、oh、oh!♪♪♪♪イェーイ】 「キャ〜!カトケンさんの声だよ〜!」 「痺れる〜〜〜〜〜〜!」
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