第7ミッション        僕、イクメンになります。

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 僕達家族は米介さんの牧場に遊びに行った。 「気にせず、1日遊んでいけよ。  この馬が3ヶ月前に産んだ母馬だ。  ちょっと前まで牝馬でフクマウンテンって名前の競走馬だったんだ。  良いサラブレッドだったけどなぁ……  今は種馬で頑張って貰ってるけど!」  アケビさんは目を輝かせながら米介さんに聞いた。 「競走馬なんですか?」 「明美ちゃんこの馬は無理じゃ……  この馬は荒くれ馬だが人間を見るんだ!  自分の気に入った奴しか受け付けん気分屋の馬なんだ。  だから競走馬の時も実力は有ったが、この馬を乗りこなす騎手はいなかった。  だから大した実績は無かった。  向こうにポニーが2匹いるから好きに遊んでいいよ。」 「歩美、歩夢、可愛いね!」 「アケビさん、歩美と歩夢を抱っこしてポニーに乗ろうよ。」 「う、うん……で、でも、フクマウンテンの方が良いなぁ……」 「駄目だよ!フクマウンテンを操れる騎手もいなかったって米介さん言ってたよ。」 「分かったよ。歩美、歩夢、ポニーと遊ぼっ!」 「歩美、歩夢、馬だよ。」 「ぎゃ〜」  歩美が怖がって泣き出した。 「まぁ……まぁ」 「アケビさん、歩夢が、馬の事、まぁだって!」  子供って不思議なもんだ。  好奇心旺盛な歩美は泣き出し、歩美はアケビさんと一緒に乗った。  そして用心深い歩夢はニコニコして、まぁまぁ言ってはしゃいで僕と一緒にポニーに乗った。  そして牧場の中をゆっくりと何周も回った。 「アケビさん、楽しかったね!」 「歩美も途中から泣き止んで楽しんでたもんね!  でも、ビックリ、歩夢があんなに喜ぶなんて!」 「そろそろ帰ろうか?」 「あ、あっちょっと待ってて、ト、トイレに行って来るね!」 「あっ駄目だ、明美ちゃん!勝手にフクマウンテンに乗ったら!」  その声は米介さんだった……
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