第7ミッション        僕、イクメンになります。

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「どう言う事だ!フクマウンテンがニンジン無しに走るなんて……  でも、危なすぎる!フクマウンテンの脚力は現役顔負けの走りなんだ!振り落とされてしまう……」 「アケビさん危なーーーい!」 「ママ〜〜」 「マ、ママ〜〜」 「大丈夫よ!歩美、歩夢。  フク、思いっきり走りな!私は大丈夫だから!」 「ウヒィーーーン」  フクマウンテンは飛び上がるように牧場を駆け巡った。 「あんた楽しそうなフクマウンテンを見たのは初めてだ……  それに明美ちゃん、すでにフクマウンテンを手なずけてる……  プロ騎手でも無理だったフクマウンテンを平然と乗ってる……」 「フク、皆んなの居る所で止まるよ。」 「ウヒィーーーン」  フクマウンテンはゆっくりと僕らの前に止まった。  米介さんは腰を抜かし倒れてる……  近くで見るフクマウンテンはあまりにも大きいかった。 「ぎゃ〜」  歩美が泣き出した。  それはそうだ。  僕も怖い……  フクマウンテンは凄い鼻息でまだ、走りたそうにしている。 「ま〜ま〜ぁ〜」 「歩夢、フクに乗りたいの?」  日頃、おとなしい歩夢は突然、足をバタバタさせた。 「歩夢、おいで!」 「アケビさん、無理だよ!歩夢を抱っこして、荒くれアホ馬に乗せるなんて……」 「ウヒィーーーン」  フクマウンテンは僕を睨みつけた。  歩夢は両手いっぱいにアケビに抱っこを求めてる。 「お願い!絶対に歩夢を落とさないから!私に任せて……」  アケビさんは僕から歩夢を奪い取った……  僕も腰が抜けた……  僕の隣には米介さんも倒れてる……
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