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園長先生なのに僕達と歳があまり変わらない清楚で万福村には似合わない都会派の女性だった。
「どうぞ!ゆっくり園内を見学して下さい。」
「は、はい。」
歩美はヨチヨチ歩きで、お外で遊んでる所に行こうとしてる。
子供達も歩美に気づき手を振っている。
若い先生が近づき、「お友達と一緒に遊ぶ?」と聞いて来た。
歩美はキャッキャ喜び、先生に抱っこされたが歩夢は相変わらず固まってる。
「アケビさん、歩夢を連れて園内を回ってみようか?」
「そうだね……すみません。歩美を少しだけ見てくれますか?」
「歩美ちゃんって言うんですね。
どうぞ、ゆっくり園内を回って下さい。
お部屋には、オモチャも有るんで自由に使って下さい。」
若い先生は凄く元気の良い明るい人だった。
部屋の中には、歩夢が喜びそうな車や新幹線。歩夢は手足をバタバタさせ、オモチャに凄い勢いで走って行った。
「歩夢、ほんと乗り物が好きなんだね!」
「アケビさん、もしかして歩夢は乗り物が好きなんじゃなく、乗り物に乗るのが好きなんじゃない?
だって、この前の馬の時だって歩夢の目は輝いていたし……」
「乗り物が好き?」
「いやっ……乗るだじゃなくスピードを感じる乗り物が好きなんじゃない?」
「歩夢はスピード狂?」
「アケビさんの血を引いてる気がする」
「えっ……」
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