79人が本棚に入れています
本棚に追加
「モナカ先生、園長先生が呼んでるよ。」
「なんだろう?先生達に差し入れかなぁ!」
「ちょっと行って来るね!すみません、子供達を宜しくお願いします。」
「私達に任せてゆっくり、園長先生とお喋りしておいで!」
「はーい。」
ー園長室ー
《トントン》
「はーい!どうぞ入って下さい。」
「園長先生には1度ちゃんと御礼を言わないといけないって思ってました。
また、この保育園に呼んで貰って、助六さん宅にお世話になったのも園長先生や加藤さんのお陰です。
ありがとうございます。」
「そんなにかしこまらないで下さいよ。私達は村の仲間ですよ。
万福村は来る者は拒まず、皆んな仲間ですよ。」
「ところで園長先生、お話とは?」
「じ、実はモナカさん……音楽発表会の事なんですが……」
「はい……音楽発表会で何か?」
「聞いた話ですが、ハーモニカを吹けない子は
練習させないのですか?」
「園長先生、年中、年長で吹けないでふざけてる子と引っ越して来たばかりでハーモニカが吹けない子が5人います。
その子を教えていたら間に合わないんです。
どうしても音楽発表会を成功したいんです。
吹けない子も吹くマネで練習してます。」
「モナカさんは、一馬君と良いお付き合いをしてるそうですね。
私は大賛成ですよ。
一馬君はちょっとアホだけど、あっ、ゴメンなさい。
でも、彼の一途な所とど真面目な所は頭が下がります。
モナカさんもきっとそう思ってるんじゃないですか?
彼の努力で今が有るんですよ。
子供だって、大人が無理って教えてなかったら、子供は伸びませんよ。
子供には沢山の可能性が有るんです。
立派な音楽発表会じゃなくても良いじゃないですか?
音楽発表会は子供の成長過程を見る場ですよ。
私の案ですが年1回の発表会を3ヶ月に1回にして親御さんに観てもらいましょうよ。」
最初のコメントを投稿しよう!