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ー加藤宅ー
「カトケンさん、今日もパン完売したね!」
「アケビさん、レースの練習も有るのに手伝ってくれて、無理しなくっていいよ。
アルバイトのおばちゃんも居るんだし!」
「おばちゃん?私、まだ55歳よ!」
従業員、働木蜂子(55歳)
ヨシ君のおばあちゃんである。
「蜂子さん、ヨシ君、今度の音楽発表会観に行くんですか?」
「ちょっとトラウマになってハーモニカ吹くのが嫌みたい。
保育園ではモナカ先生が一生懸命に教えてるんだけどね……」
「子供って興味が無くなったら、気持ちを取り戻すのが難しいって言ってたもんね。」
《ピンポ〜ン♪♪♪》
「カトケンさん、誰だろう?」
「きゃっきゃ!」
「歩美、駄目だよ。勝手に玄関に行っちゃ……
あっ、モナカ先生。」
「夜分遅くにすみません……
あっ、ヨシ君のおばあちゃんまでいらっしゃってる!
ちょうど良かった!カトケンさんと明美さんに相談しようと思って来たんです。」
「相談?」
「実はヨシ君なんです……」
「私の孫が何か?」
「どうにも、私のせいで音楽に興味を無くしたみたいで……申し訳ございません。」
「ヨシ君、ハーモニカが嫌になったのかなぁ……カトケンさん?」
「う〜ん…どうかして興味を惹く事出来ないかなぁ……」
モナカさんはタンスの上に置いて有る物に目がいった。
「カトケンさん、明美さんあれは何ですか?」
「あれはカトケンさんがイケメン5と一緒に歌った時に吹いてたオタマトーンですよ。」
「オタマトーン⁇」
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