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「明美、長いフライトだよ。」
「美和は慣れてるの?」
「私は何回も海外試合の経験が有るからね!
明美は飛行機、もしかして始めて⁇」
「う、うん。」
「えっビックリ!そう言えば、さっきいたご主人、あの有名なカトケンでしょ!
あの幻のアーティストだよね!結構、子煩悩なんだね!
羨ましいよ!結婚して子供もいて、そしてプロライダー……
欲しい物は全て持ってるなんて……」
「でも、大変だよ。
育児にカトケンさんのお手伝い、それに練習、あっと言う間に1日が終わっちゃう。
1人の時間なんて全くないよ。
でも、凄く幸せだけどね。」
「やっぱり私には無理だ。
そう言えば明美、さっき旦那からアケビって言われてなかった?」
「そうだよ。アケビって呼んで良いのはカトケンさんだけ」
「私も明美の事、アケビって言おうと!」
「ちょっと、美和!」
「ごめん!ごめん!」
「そう言えば、レースで美和が転けた時、私見たんだ……」
「私が転けた時?」
「あの時、私の父が美和を助けようとしたのが見えたんだぁ……」
「私を助けたのはアケビのお父さん?」
「こらっ!また、アケビ言ったな!」
「ごめん明美、そう言えば、転けた時に急に体が浮いた感じがして、あれだけの事故だったのに無傷だった……」
「もしかして私が転倒した時もお父さんが助けてくれたのかな……」
『そうだよ。2人を助けたのは、私だよ。』
「今、誰か喋った?」
『ヤバっ……』
ー助六さん宅ー
『おっさん、フランスに行ったのか?』
『トメさん、朝早く、荷物をまとめて出て行ったよ。』
「寂しくなるね!」
『おい!モナカ、お前はいつまで居るんじゃ!』
「一馬と結婚するまでだよ。」
『ワシらの愛の巣を邪魔しやがって!』
「そんな事言わないでよ〜〜」
『仕方ないの〜』
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