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ー翌日ー
「社長、おはよう御座います。」
「お、おはよう……」
「なんか社長、顔色が優れないみたいですけど……」
「だ、大丈夫、明美ちゃん、ちょっと寝不足なだけだ……」
「駄目ですよ。しっかり寝なくては!」
「そうだな……実は美肌化粧品が経営難なんだ。」
「そうなんですか?
でも、私とカトケンさんの口座に沢山の振り込みが……」
「それは当たり前だよ。
君達が広告塔で我が社を宣伝してくれてるんだから!」
「私はともかく、カトケンさんは辞めて何年も経つのに……」
「カトケン君が居てくれてたから、明美さんにも出会えた。
私は嬉しいんだ!カトケン君と昔、一緒に仕事が出来た事を……当時を思い出すよ。
カトケン君には悪い事をした。
彼を利用して美肌化粧品を宣伝したんだからな……私は未だにカトケン君に謝っていない。」
「カトケンさんは分かってますよ。
だって、今でも美肌化粧品を近所の人に紹介してるんですよ。
絶対、良い商品なんで!って……
今でも、カトケンさんの中で美肌化粧品の営業トークが残ってるみたいですよ。」
「何だって……そう言えば、万福村周辺では美肌化粧品の売り上げが上がっている話は聞いたが、そう言う事だったのか……」
「私も使ってますよ。
最初は化粧1つも出来なかった私がカトケンさんに勧められて始めた化粧品なんですから!
お陰様で肌ピンピンですよ。」
「ありがとう!こんな嬉しい話を聞けるなんて……
あっ、今度の世界四大大会レースは我が社が総力を上げて明美ちゃんを応援するんだ!」
「社員の皆さんもフランスに……」
「いやっ、さすがにそれは出来ないが、我が社の大型スクリーンで仕事を中断して全員で応援だ!
そう言えば、スター速井さんは明日、フランスに着くそうだ。」
「久しぶりだな、スター速井さん。」
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