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第1章5節
「キュウ~~~。」
どこからかドラゴンの鳴き声が聞こえた。
俺たちは急いで向かうと
「キュウ!キュ!キュウ!」
しっぽを振り喜んでいるトウがいた。
その相手はーーー
「シファル!」と俺たちは声に出していた。
シファルはやや困ったような悲しそうな顔をして
「久しぶりだな。」と言った。
カフェのテラスで紅茶を一口飲み、
「竜。言いたいこと、わかりますよね。」
とライトが笑いながら言う。
「……あー。……悪い。色々あってな。」
と歯切れが悪いシファル。
「……はぁ。情報収集だ。それだけだ。」
と続けてシファルは言った。
「それだけって!何でそんなに人類を救おうとするんだ!」とシャイニングが怒る。
「俺は別に全部を救えると言うほど自惚れていない。出来ることをやるだけだ。……とはいえ、それとは反対に現状をみているといると色々わかるから、怒りを覚えずにはいられない。滅べばいいとすら……思っている。」
そう、ぽつりとシファルは言った。
そして、
「矛盾してるし、自分でも笑えるよ。」と。
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