控えめな甘さで包んで

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駅前は街灯があるからいいものの、少し離れれば家屋の光だけで私にとっては暗闇とかわらない。 暗闇の中は、母のカバンについたランプをたよりに家まで歩いていくしかない。 「もうごはん出来てるから着替えてらっしゃい。 お母さん、お味噌汁あっためとくから。」 「うん、ありがとう。」 私は階段を上って自分の部屋に行く。 電気のついていない部屋は真っ暗で、手探りでスイッチを探す。 制服から部屋着に着替えて、階段を降りていると、下から足音が聞こえた。 「柚香、おかえり。早かったね。」 同じ制服を着た妹は話しかけても無視して私の横を通り過ぎていく。 2つ下の妹、柚香は中学にあがったころから、毎晩のように夜遅くまで遊び歩いている。 多分、悪いのは私。
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