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「瑞希ちゃん、もしかして柚香帰ってきた?」
「うん、今すれ違った。」
「あーもう、帰ったら顔ぐらい見せなさいよ!」
母はいつだって私のことが1番だった。
飛蚊症の症状が出て、診察に行きこの病気がわかったのは私が4歳、柚香が2歳の時。
かすかな記憶では、遊んでという柚香に対して母はいつも“お姉ちゃんのお手伝いのあとでね”と言っていた。
やがて夜盲症になると、母の私への過保護は加速し、私が大丈夫と言っても聞かず柚香をおいて私につきっきりだった。
幼少期からそうやって育った柚香はあんな風に育った。
確かにお母さんの行動が原因だと思うけれど、日常生活において私が手助けが必要なのも事実。
だから多分、私の病気が、私が悪い。
柚香の染められた髪や空いたピアス穴を見る度、胸の奥が締め付けられる。
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