いつかは消えてしまう世界

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「瑞希ちゃんー、ごはんは?」 「今はいい。あとで食べる。」 もうすぐすれば高校生も終わる。 最後の夏服ももう終わって、あとはこの冬服を着古すのみ。 きっとクラスメイトはみんな、今頃勉強してるんだと思う。 それぞれの行きたい大学に向けて頑張ってる。 私には必要のない努力。 私は視覚障害者の支援している団体に紹介されたところで事務員として雇ってもらうことが決まってる。 私がするのは目が見えない人用のパソコンを使えるようになることだけ。 もうすぐ冬が来る。 多分、冬の景色を見るのは今年が最後な気がする。 桜が咲くのも見れるかどうか。 わからない、先生にそう言われたわけじゃないから、あくまで感覚として。 そんな気がするだけ。 外が暗くなり始めて、どんどん私の視界がなにかに奪われていく。
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