いつかは消えてしまう世界

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いつかは消えてしまう世界

「Whatever has begining also has ending. このwhateverは副詞節を導き、~ものはなんでもと訳す。 そのため、この構文は始まりのあるものはなんでも終わりもある、と訳す。」 水曜5限、英語の授業。 週の真ん中、お昼明け。 たまりはじめた疲労感、容赦なく襲う眠気、教室に残る弁当のにおい。 そのすべてと一緒に欠伸を噛み殺した。 始まりのあるものに終わりのないものはない。 これは正しいと思う。 たとえば、20分前に始まったこの授業も何をしていようとそのうち終わる。 大きく言えば、この命も遅かれ早かれいつか終わる。 なんでも手に入ったかつての権力者も、この終わりから逃れようと、不老不死を手に入れようと必死になったが、手に入れたものはいない。 だから、たぶんこの言葉は正しい。 でも、反骨精神旺盛な私は終わりのないもの、この答えがほしい。 「きょーつけー、れー、さよならー」 何年も繰り返して、どんどん適当になっていく終礼の挨拶。 ちらっと黒板に目を向けて、みんながどっと廊下に流れ出すのと一緒に教室を出る。
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