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よりによってバレたのは会社の後輩にあたる那知。あんな事言われて少しの間だけmioを休ませていたのに、再開した途端にこれだ。
自分もほとぼりが冷めるまで我慢すれば良かったのに、どうにも見て欲しいという欲求が抑えられなかった。
北原那知ーー入社して3年は一緒に仕事をしているが、未だに掴めない。
誰かとつるむ訳でもなく、いつも1人。上司に媚びることもせず、たんたんと仕事をこなす無愛想な男だ。
つい最近、どこから見つけてきたのかmioの写真を見せてきて、これが一織だろうと迫ってきた。かと思えば、一言否定しただけでそれ以上の追求は無かった。
なのにだーー
この前のmioの配信中に連絡を寄越してきた。配信の方に気を取られて気がつくのが遅くなり、携帯を見た瞬間青ざめた。
『やっぱりセンパイじゃん』
この言葉と添付された自慰配信のスクリーンショット。上手く隠して配信したはずなのに、何故か指摘されたホクロのアップや普段のスーツ姿でキッチリしている姿の一織と類似点を指摘するような写真も数枚あった。
『何を言ってるんですか?この人は誰ですか?』
無視すればいいものを、一織はmioになりきり返事を返してしまった。
返事は直ぐに返ってきた。
『IPアドレス一緒だし、隠しても無駄だよ。俺にはわかるから。てか、センパイのアナル縦割れですげぇエロいね。いつも自分であんな事してんの?』
まさかそこまで調べられていたのかと怖くなった。もし、こんな事を会社や他の誰かにバラされたら自分はどうなってしまうのかと震えた。
『……これには事情がある。今度2人で話せないか?』
『いいっすよ。今度の休みとか暇だし。』
『なら家へ来てくれ。全て話すから。』
隠しても無駄だと分かった一織は那知に黙ってていてもらうための交渉をする事にした。
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