Pet

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「譲、ペット飼わないか?」 悪友である(いつき)の一言が全ての始まり 「はぁ?ペット?」 「そう。最近飼い始めたんだけど、そいつに連れが居てさ」 「え?お前ペット飼ってんの?」 「そう。ヨウタっていうんだけど、こいつが超カワイイんだよ」 「ふ~ん。で、連れって?」 「マモっていって……まぁ、大型犬?」 「犬か…どうせなら小型犬の方がイイんだけど」 「まぁ、一度見てみろよ」 三日後、樹の部屋を訪ねた。 「で?何処に居るんだ?そのペットとやらは」 「ちょっと待ってな。ヨウタ!マモ!こっち来いよ」 寝室に向かって樹が声を掛けると、カチャッと音がして少しだけ開いたドアの隙間から顔を覗かせたのは………二匹の犬、ではなく、二人の人間。 ………ん?……俺の目がオカシイのか? 思わず目を擦ったけれどどう見ても “人間の男” の二人は、ソファに座る俺達の前まで連れ立って歩いて来ると、小柄な一人が樹にピッタリとくっつく様に寄り添い、背の高いもう一人がその直ぐ足元にちょこんと正座した。 「こいつが葉太で、そっちがマモこと守な」 「…え~と、樹?」 「ん?」 「……ペットって…言ってなかったか…?」 「ああ。ペットの葉太と、その連れの守」 「……犬じゃなかったのか?……大型犬って…」 「守ってほんと犬みたいな奴でさ。人懐っこくて直ぐじゃれて来るし、マジ大型犬みたいなんだよ。なぁ、葉太」 楽しそうに笑いながら話す樹の腕の中で、ヨウタと呼ばれた男は気持ち良さそうな顔をして樹に頭を撫でてもらっている。 その二人を時折羨ましそうに見上げながら、マモルというらしい男が俺を見る。 「……なんで人間がペットなんだよ…」 「ものの譬えだよ。それにペットって愛玩動物って意味だろ。マジでこいつ可愛いぞ…」 そう言ってヨウタの頬を撫でた樹の掌に頬擦りをするように顔を寄せ、愛おしむ様に口付けるヨウタに、その言葉の意味を知る。 …ははぁ~ん、そう意味の “愛玩” 動物かよ……
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