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トワ団長様が言うには、前国王陛下の収めていた時代には各団の戦略が通用するのかを確かめたり情報を元にどう対抗、対策をするかなどしていたらしいが今は国王陛下の代替りと共に各国が侵略的行為をしないという前提で同盟をしたので演習と言う演習はしていないらしい。
「では、何故大掃除を機密演習と言っておられたのですか?」
トワ「それは、部外者を入れないためだ。日頃から行っている見学は、各々目を光らせているから怪しい者がいたとしてもすぐに対処できるのだが大掃除となると各団の機密文書などの整理もあり皆が忙しなく動いているから対処できないと下から苦情が上がってきて以来機密演習と称して大掃除を行っている。」
「なるほど……、しかしながらそれでは他国から不審に思われるのでは?侵略的行為の範囲に機密演習も入るのではないですか?」
例え実情は大掃除だとしてもほかから聞けば良からぬ事を企んでいるように見えてしまうよね?
トワ「そこは問題ない。実は騎士団の中には他国から派遣されているものが数名いてうちの者も他国に派遣している。だから怪しい動きがあればすぐに情報が回る。かと言って機密文書がその派遣に見られるのはまずいから上の者がやらなければならないから他に手が回らないんだ。」
「そうだったのですね!」
トワ「だから私はなんの問題も無い。」
「へっ?………あー!そう……ですね。でしたらお願いします」
トワ「あぁ、シュガー嬢の予定ではどこから見学するんだ?」
「はい予定では、訓練場……は今見たので次は兄様達の仕事場と宿舎を」
門を入ってすぐ、道を挟んで左側に広々とした訓練場がありその訓練場の隣にマリー達がいる木が生えていてその少し先に馬小屋や武器庫と思われるレンガ作りの建物が並んでいる。
反対に門を入り、少し先に進むと右側に三階建の木造の建物が多分宿舎なのだろう。そして正面に建っているのが兄様達の職場である騎士団宮だと思う。
道沿いから訓練場は見れたけど流石に誰もいなかった。
トワ「なら騎士団宮の私の執務室からどうだろうか?」
「はいっ!あっ少しお待ちください。
マリー!リリー!私これからあそこにある騎士団宮のトワ団長様の執務室を見学してくるわねぇーー!」
手を振りながら離れたマリー達に騎士団宮を指さしながら大声で知らせるとかしこまりましたー!とリリーが答えた。
「お待たせしました。」
トワ「フフッ……、では行こうか」
無言でしばらく歩いていくとやっと騎士団宮の前まできた。
はぁ〜、結構歩いたわもうヘトヘト………。
呼吸が落ち着くのを待ってから再度騎士団宮を見る。
「ここが騎士団宮ですね!近くで見ても大きいですね?………トワ団長様?」
トワ「プックックック………しっ失礼。あまりにも大きい声を出すものだからっ」
「!!!!」
急激に顔が熱くなるのが分かると顔を両手で隠しながら指と指の間からトワを盗み見るとまだ小刻みに肩を震わせ笑いを我慢していたのでなんだか無性に腹が立ってきた。
「そっそんなに笑わなくたっていいじゃないですか!!確かに淑女としてあるまじき行為でしたが、こうせざる終えなかった訳で仕方なかったんたんですっ!」
勢に任せてトワに詰め寄ると身長差があまりにもありすぎてつま先立ちで威嚇してみたものの傍から見れば子豚がキスを迫って頑張っている様な光景だっただろう。
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