前編

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◆  ◆  ◆  ◆  ◆ 「ふぅ……」  そんな『ネット社会』の中にいる私は、今日もパソコンに向かっていた。  私は大学生なのだが、今日は大学で授業があり、その授業が終わった後に、外にあるベンチでこうしてパソコンを使ってレポートを書いていたところである。 「はぁ」  一通り書けたところですぐに忘れず『保存』をし、軽く伸びをした。  前回『保存する』を押すつもりが間違えて『保存しない』を押してしまい、それまで必死に書いたレポートを無下にしてしまった経験がある。 「さっ、さすがに同じ間違いを二度はしてなるものか……」  なんて、一人でブツブツと呟いていると――。 「よっす!」 「ん? ああ、終わったの? 授業」  上から声をかけられ顔を上げると、そこには友人がカバンを肩からかけて笑っていた。 「うん、本当に助かったよ。連絡くれて。あのままだったら確実に遅刻していたわ」 「ちゃんと目覚ましかけないと」  私がそう言うと、友人は「そうだよね」と言いつつ苦笑いをしながら、カバンからお弁当を取り出した。  ――そういえば、そろそろお昼時ね。  なんて思いつつ、私も友人に倣い、パソコンを片付けて、代わりに昼食用にコンビニで買ってきた『おにぎり』を二個と『サラダ』を取り出した。
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