前編

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「うーん、ちゃんとスマホに設定したはずなんだけどなぁ」 「あんたの場合は両方必要なんじゃない?」 「目覚まし時計だけじゃ足りないから、スマホも導入したんだけどな」 「それを使ってもダメなのね……」  この友人とは小学生からの付き合いなのだが……とにかく寝起きが悪い。  私も別に毎回モーニングコールをしているワケではない。ただ、なんとなく「起きている……ワケないよね」と、連絡してしまうのがもはや『習慣』になっているだけだ。  だが「自分の見たい番組が朝から」とか「旅行前日に楽しみすぎて寝られなかった」という『自分が楽しみにしている事』が絡んでいなければ、自力で時間通りに起きられた試しがない。  私としては「小学生か!」と言いたいところだが、本人的には「このままじゃダメだ!」とどうにか努力をしようとしているのが見えるので、この話はここで終わらせよう。 「それにしても、今日は自分の部屋じゃなくて、こっちでレポート書いてたんだ」 「まぁ、ずっと部屋にいても……ね」  たまには、こうして外に出る日があっても良いと思う。
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