第1章「魔界に沈んだ町」

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 セツナが案内したのは、質素な共同住宅だった。アトランティスは小さな町で、人々が住む家を一軒一軒建てるような工数をかけることはできない。そのため、一度の工事で複数の居宅として利用できる賃貸物件はある程度の需要があった。殺風景だが見通しのいい景色は町の特色にもなっている通り、民家が軒を連ねるより景色を圧迫しないことも大きな利点である。 「散らかってるけど、あんまり気にしないで。…………片付けなんて意味ないよ」  セツナの家は階段を上がった二階の内の一部屋だ。全体は細長い構造で、玄関口からバスルーム、その先にダイニングキッチン、奥は洋室となっている。いわゆる、一人暮らしや同棲する人が住む1DKのレイアウトだ。  台所には水の入れられたバケツが置かれている他に割れた皿が放置され、空き缶や紙パックのゴミが貯められていた。マフラーを取ったセツナが向かった先は寝室だ。マフラーを投げたベッドは乱れ、他にもタオルや服が無造作に放られている。散らかっているというほどでもない気がするが、そもそもの物が少ないという印象を受けた。 「ここに住んでるのか?」 「一応ね。電気もつかないし水も出ないけど。あ、適当に座っていいよ」  部屋の中に通されたジルは、机の上に帽子とパンが入った紙袋を置き椅子に座る。  セツナがいる寝室はバルコニーに繋がっていて、部屋の中を照らしているのは外の明かりのみ。セツナが言っていた通り、電気が使えなくなってしばらく経つ。町に起きる超常現象は住民を困らせるものばかりだが、夜が来なくなったことだけは住民にとってプラスに働いていた。生活を送るのに最低限必要な光は、外の明かりだけで担保できるからだ。 「…………まぁね、お客さんなんていつぶりかな」  ふと、散らかっていた物を少しまとめていたセツナはやや独り言めいた呟きをする。  考えてみれば、年頃の少女が見知らぬ男を家に招き入れている状況だ。彼が元保安官だと名乗ったことを抜きにしても、普通ではあり得ない。それでもセツナが家に招いたのは、単に気にしない性格という可能性を除けば、人のいない外よりも家の中の方が落ち着いて話ができるからだろう。 「俺も、知らない人間に会うのは久しぶりだ」  ジルが呟きに反応すると、セツナは少しの間固まる。どこか焦るような取り繕うような間を空けてから、彼女は短く返した。 「あ……そうだね」  素っ気ない返事を気に留めるでもなく、ジルはセツナがいる寝室の方を見て続ける。 「それも、パラダイムシフトが起きた日に超能力に目覚めた女の子に」  家に来るまでの間も、ジルは少しだけセツナと話をしていた。彼女によれば、超能力に目覚めたのはパラダイムシフトが起きた日からだという。  ジルと目が合ったセツナは、堪忍したように息を吐きつつベッドに腰掛ける。 「びっくりした?」  ようやく落ち着いて話をできると思い、ジルは椅子に座ったままセツナのいる方へ体を向けた。 「そりゃ驚きはするけど、俺はこの町で起きた摩訶不思議な現象を色々と見てきた。それにあんなことされたら、疑いを持つ気にもならないよ」  二人の対面は、少なくともジルにとって衝撃的なものだった。動かないはずの車を超能力で動かされ、目の前に引き摺り出されたのだ。簡単に忘れられる経験ではない。 「少しは悪いと思ってるけど、後を尾けてきたのはそっちだから」  セツナはジルの行動をやんわりと注意する。彼女の言う通り、最初に尾行を始めたのはジルの方だ。怪しい人物を見かけたら後を尾けてしまうのは、保安官という仕事柄か。 「そうだ、それで思い出したけど、君はどうしてあそこにいたんだ? そもそもあそこは誰も入れない開かずの間のはずだよな?」  ジルがセツナを目撃した場所は、噴水広場にある開かずの間だ。その扉が開いているところを誰も見たことがないとされているが、彼女はまるで扉から出てきたように見えた。ジルが尾行を始めた直接の原因でもある謎。  それを問いかけると、セツナは特に表情を変えずに答えた。 「あの家に住んでる錬金術師と会ってただけ。マリーはあの家に隠れてるから、みんな開かずの間だって言ってるけど」  スラスラと彼女の口から明かされる真実に、ジルは再び頭の理解が追いつかなくなり始めていた。 「ってことは、あの家にはまだ誰か住んでるのか? その、マリーっていう錬金術師が」  開かずの間として知られるその家は、かつて錬金術師グランチェスターが住んでいたとされ現在まで保存されてきた。しかし、誰も家に入ったことはなく、保安官だったジルでさえ詳しいことまでは知らなかった。そこに実はまだ人が住んでいるというのだ。 「マリーはあの日アトランティスに何が起こったのかを調べてる。パラダイムシフトを研究すれば、町の外に出る方法も見つかるかもしれない。だから、私はそれを手伝ってるんだ」 「なるほど……つまり、君は錬金術師の隠れ家でこの町から出るための方法を探してるってことか?」 「まぁ、そういうことになるかな」  あの時、セツナが家の前に現れたのは超能力か錬金術によるものだとすれば納得がいく。その上、彼女は開かずの間とされた家に隠居している人物と知り合いらしい。  自分の知り得なかった真実を前に、ジルは多少なりとも混乱状態にあった。疑問は次々と湧いてくるが、彼はひとつひとつ思考をかいつまんでいく。 「それで、何か分かりそうなのか? この町から出られる方法は」  彼が最も気になっているのは、セツナとマリーという人物が隠れ家で何をしていたのかということだ。パラダイムシフトの研究をしているとのことだが、何か分かったことはあるのか。この町で起きている超常現象には何か理由があるのか。そして、この町から出ることはできるのか。  アトランティスに閉じ込められて以来、どれほどの時間が経ったのかは分からない。夜のない生活に慣れ、町から出ていくことよりも町で生きていくことを選んでいた日々。それを終わらせることができるのか。  答えに、セツナは首を横に振った。 「ううん、あんまり。残念だけどね」  セツナと出会ってからジルの身に起きたことは、全て信じられないような現実だ。それゆえに、今なら何が起きても信じられてしまいそうな気分にもなっていた。  町から出る方法。  長らく忘れていた願いを思い出したのも束の間、ジルは再び本当の現実に引き戻されてしまった。アトランティスという町に閉じ込められている現実に。 「そうか……」  膝に肘をつく形で話をしていたジルは、背中を丸めて落ち込む。  錬金術師の隠れ家にいたという超能力者の少女。町で起きる超常現象にはもう慣れたものだが、こうして目の前にすると良い意味でも悪い意味でも揺さぶられてしまうものだ。  もちろん、勝手に町から出られるかもと期待したのはジルだ。ありもしない可能性に望みをかけるのは何も初めてではないが、もしそうだったらと思いたくなる心境だった。あり得ないこと続きになると、あり得ないことでもあり得るようになる。この町では、それが常なのだ。 「…………私もそろそろ聞こうと思ってたとこ」  と、セツナはジルに聞こえるか聞こえないか程度の小声で呟いた。 「え?」  誰かに耳打ちするようにも見えたセツナに聞き返すジル。今のは、自分に対してかけられた言葉だったのだろうか? 「そろそろあなたのことも教えてくれないかって。私のことばかり聞いても面白くないでしょ」  言われてみれば、セツナに対しては聞いてばかり。ジルは自身のことについては少ししか明かしていない。 「あぁ、それもそうだな。君に比べればなんてことないかもしれないけど」  超能力者である彼女からすれば、ジルの経歴について何も面白い点はないだろう。自己紹介の順番ははっきり言って逆にすべきだったと今更ながら後悔する。 「で、どこまで話したっけ?」 「確か、あなたは元保安官だっていうところまで」  名乗る時に、彼は自身が保安官だったことについて触れていた。セツナもそれについては覚えているようだ。 「そう、俺は元保安官だ」 「へぇ、すごい」  やはりどうしても、超能力者の後だとパンチがない。保安官だったからと言って多少胸を張れる程度で、それ以上のことはない。何より、お世辞の如く持ち上げるセツナの反応は居心地が悪かった。早くも行き詰まりを感じていたジルに、彼女も何か思うところがあったのだろう。彼女は少し遠慮気味に問いかけてきた。 「なんでやめちゃったのか、聞いてもいい?」  元、というからにはそこは掘り下げられて然るべき。彼も特別隠す理由もなく、素直に話すことにした。 「やめたっていうよりも、クビにされた。正確にはね」  解雇されたということを受け、セツナはその意味について何か勘繰るように少しだけ俯く。彼女が何を思ったにせよ悪い理由があるわけではなく、ジルは自重気味に言う。 「別に悪い理由があったわけじゃない。というか、理由は俺にも分からない」  彼は保安官としてアトランティスに尽くしてきた。中には失態もあったかもしれないが、できる限りのことをしてきたつもりだ。彼が解決した事件は飼い猫が行方不明になったり、井戸に物を落としてしまったりと比較的平和なものばかり。彼は総督府にその栄誉を認められていたし、町はいつだって穏やかな静けさに包まれていた。彼らは何事もなく普通の生活を送っていたのだ。パラダイムシフトが起きるまでは。 「パラダイムシフトが起きた当時、アトランティスは相次ぐ失踪事件や摩訶不思議な超常現象で混乱してた。当然、俺たち保安官は駆り出されたが何ひとつ解決することはできなかった。どうにかなる問題じゃなかったんだ」  当時の混乱を、彼は一度も忘れたことはない。彼の言葉を聞くセツナも、当時のことはよく覚えている。だからこそ、彼の言葉に滲む諦めの念はよく理解できた。 「理不尽だとは思ったよ。でも今にして思えば、仮に保安官を続けていたところで何かを解決できたとは思えない。あの時、俺は町で見つかった『魔剣ライフダスト』についてを」 「待って」  セツナは立ち上がって話を遮り、 「『魔剣ライフダスト』?」  あるものの名前を復唱した。 「伝説によれば、魔界を天国と地獄に切り分けたっていう二振りの魔剣の内の一本って話だ」  魔剣というのは普通なら聞き馴染みのない言葉だ。彼女は魔剣がなんなのか分からないのだろう。と思っていたが、そうではなかった。 「今どこにあるか分かる?」  セツナが聞いてきたことを一瞬理解できず首を傾げる。彼女の反応と言葉から察するに、『魔剣ライフダスト』について何か知っているのだろうか。 「え、知ってるのか?」  思わず聞き返してしまったジルだが、セツナは取り合うこともせず声を低くして問う。 「どこにあるの?」  彼女の気迫に若干押され、覚えている限りの情報を伝えた。 「総督府の連中に回収された。詳しい場所までは俺も分からない」  ジルは町の中で『魔剣ライフダスト』を発見した。その後、どうなったのかまでは把握していない。 「総督府か……」  セツナは酸っぱいような表情を浮かべ、ジルから視線を逸らす。  彼女が『魔剣ライフダスト』について何を知っているのかは分からない。だが、彼女は錬金術師の隠れ家で町の外に出る方法を探していると言っていた。つまり、その上で必要なのだろうかと彼は推測を立てる。 「もしかして、町から出るための手がかりになるとか?」  推測が正しいかどうか、本人に尋ねてみる。すると、推測の斜め上を行く答えが返ってきた。 「証拠だよ」  セツナは今一度、ジルと目を合わせた。 「この町が魔界に沈んだことのね」 「…………それって、どういう」  相変わらず、彼女の口からはあり得ないことが飛び出してくる。それと同時に、あり得ないことは紛れもない現実でもあった。 「どうして『魔剣ライフダスト』がこの町で見つかったか。天国を作り出した剣がどうしてこの町にあったか分かる?」  答えを言うことはできなかった。そもそも、答えが分かっていたかどうかも分からない。  ただ、セツナは淡々と告げる。 「ここが天国と地獄のある魔界だから」  ジルは何かを言おうとしたが、言葉が出ることはなかった。口を動かしても、言葉を出すことができなかった。 「私たちが天国と地獄と呼ぶ場所は魔界レミューリア。元は一つだった魔界を天国と地獄に切り分けたのは、『魔剣ライフダスト』と『魔剣デスペナルティ』。その内の一本が見つかったっていうことは、この町は魔界に沈んだから。町でおかしなことが起きるのはそのせい」  彼女の話は、レミューリア神話に基づくものだ。確かに筋は通るし、そうであれば町で起きている現象についてもある程度説明がつく。  そのことをジルは理解できた。 「やっぱりそうだったのか」 「え?」  疑念の声をあげたのはジルではなくセツナだ。彼の言葉の意図をそのまま汲むと、セツナが話したことを彼も考えていたことになる。 「実は、俺も調べてたんだ。魔剣のこと、レミューリア神話のこと。保安官をクビになった後、時間を作ってはそのことを調べてたんだ」  セツナが遮ってしまったジルの話には続きがあった。というのも、彼は『魔剣ライフダスト』について独自に調べていたというのだ。 「けど、正直信じきれなかったし、誰かに話す気にもなれなかった。それにもし分かったとしても、どうにかできるわけじゃないし」  彼が発見した『魔剣ライフダスト』は、レミューリア神話に登場する。それをヒントに数々の聖書を読み解こうとしてきたが、すんなりと理解できるものではなかった。むしろ、思考が雁字搦(がんじがら)めになる気さえしたほどだ。浮かび上がってきたことも、説明するには難しいもの。 「でも君なら、君と開かずの間にいる錬金術師なら、もしかしてどうにかできたりするのか?」  彼がしていたことと同じことを、目の前にいる超能力者の少女も取り組んでいた。もっと言えば、町の外に出る方法を探しているらしい彼女がだ。  ジルは元保安官というだけで、決して神話や哲学に造詣が深いわけではない。神や天国と地獄の存在を信じる心はあるが、真理を読み解く力は持ち合わせていない。だが、本物の超能力者であるセツナなら彼には見えないものが見えるかもしれないのだ。 「分からない」  彼女はあっさりと否定した。しかしそれだけではない。 「でも、ここがどこかを知る権利はある」  アトランティスは魔界に沈んだ。パラダイムシフトと呼ばれる現象は、町に様々な超常現象を引き起こした。それが、天国と地獄があるとされる魔界に繋がっているのか。  その真実を知る権利が、自分にはあると彼女は主張する。アトランティスに住む彼らには、知る権利があるのだと。 「『魔剣ライフダスト』があるなら、『魔剣デスペナルティ』もどこかにある。私はそれを探してるの」  レミューリア神話に登場する一対の魔剣。天国と地獄を作り上げたとされるそれがアトランティスにあるならば、それは即ちアトランティスがこの世ではない天国と地獄の狭間──あの世にあるという証明になる。  町の外に繋がる線路を歩いても、町から出ることができない。空に輝く黒い太陽は町から夜を奪った。  そんな理不尽な現象の数々の原因を、突き止めることができる。 「俺も手伝うよ」  ジルはそう申し出ると、セツナは驚いた表情を見せた。 「え?」  対して、ジルは既に覚悟を決めていた。 「この町と運命を共にする覚悟はできてる。ここで生きていくからには、ここで起きること全てに直面にしなくちゃいけない。だから俺は保安官になったんだ。でも、俺はまだこの町で起きたことが何なのか分かってないし、解決もしてない。そんなのはゴメンだ」  それは彼の保安官としての矜持でもある。単なる好奇心だけではない熱意があることは、セツナの目から見ても明らかだった。 「俺をあの錬金術師の家に連れて行ってくれないか? 会って話をすれば、何か分かるかもしれない」  彼の提案を受け、セツナは考える。元保安官である彼がどこまで真実を知っているかはさておき、彼の探究心は本物と言っていい。『魔剣ライフダスト』を発見した張本人であるからには、有益な情報を引き出せる可能性もある。  ないよりはいいだろうの精神で承諾しかけるセツナ。彼女が寸前で躊躇したのは些細な理由だった。 「それじゃあ、そのパンをくれるならマリーに会わせてあげる」  彼女が指差したのは、机の上に置かれた紙袋だ。パンであることは香りから分かっていたし、聞くまでもないこと。  この町で食料や水を得るのは難しい。外からの物流もなく人々の失踪を受けてレストランやダイナーはほとんど機能しなくなっているからだ。  加えて言えば、ジルの提案を飲むことはマリーの秘密を明かすことになる。マリーは接触を嫌って家を開かずの間に仕立て上げていることをセツナは知っていた。であるからには、彼女を納得させると同時にセツナ自身にも口実が必要となる。 「分かった。パンは全部やるよ」  渋々、ジルは交換条件を飲むことにした。最悪、パンはアンソニーに掛け合えばなんとかしてくれるだろう。 「…………そんなに嬉しい?」  と、セツナは誰へともなく呟いた。 「え?」  まるで自分自身への言葉にも聞き取れたが、その意図は分からない。  セツナは咳払いをして少し取り繕うように肩肘を張って言った。 「あ、ごめん。に言ったんじゃないの」  訝しげにこちらを見つめるジルに、セツナはそっぽを向く。  ジルはあまり気にしないようにしていたが、彼女は時折独り言をポツリポツリと漏らす。そういう癖なのかとも思っていたが、流石に怪しく思い始めていた。 「あー、さっきから気になってたんだけど誰かいるのか? なんか独り言っていうか、誰かに話しかけてるみたいだけど」  責めるつもりで言ったわけではないが、セツナはどこか申し訳なさそうだ。 「ごめん。イヴはあんまり人前には出たがらなくて。恥ずかしがり屋だから」  イヴ。彼女がそう呼んだ人物は少なくともジルの目には見えない。 「そのイヴってのはここにいるのか?」  問いかけに、セツナはこくりと頷いた。 「あなたには見えないだろうけどね」  見回しても、ジルとセツナ以外に姿は見えない。透明人間かもしれないが、そういうわけでもないだろう。彼女の超能力を見てしまった今、強く否定することができないのは確かだが。 「それも……超能力か何か?」 「うーん、ちょっと違うかな」  少し気まずそうな口ぶりから察するに、彼女も上手く説明できないのだろう。もとより、町に閉じ込められている異常事態。寂しさから独り言が多くなったとしても、不思議ではない。  それ以上の詮索はせず、ジルは話を戻す。 「で、会わせてくれるのか?」  ジルの提案について、セツナはまだ答えを出していなかった。  パンを交換条件に出したのを飲んだからには、もう決まったようなものかもしれない。それでも、彼女の口から答えが出るまではどう転ぶか分からないものだ。 「いいよ」  セツナから明かされた真実がもたらしたのは、何も驚きだけではない。すっかりくすみ消えかかっていた希望に火をくべたのだ。
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