知らぬ仏より馴染みの鬼、好きの線引きってなんですか?

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悔しいがそれが事実である。 「故に読めません。何故と、問いたい」 ここにはいない他の者も私と同じ疑問を抱いている筈だ。 勿論、私達の会話に割って入ることはないが。 声は届かない筈だが、いや。 あの三人なら或いは…届くのか? 「何故、あの女を向かわせたのです?」 「皆が必死なのです」 「自信がありませんか?」 始めから、そのつもりだったと言い訳でもしますか。 私は、本気ではなかったと。虚勢を張るのですか。 「臆したのなら、ここで勝負を降りろ」 この女だけは、読めない。 それでも、 そんな気はないだろうと確信しながらも問わずにはいられなかった。 胡散臭い女が嫌らしい笑顔で言った。 「馬〜鹿」 「アイツはとっくにアタシのもんだ」 何年の付き合いだと思ってる。 「二位争いに興味は無えよ」 本当に、嫌な笑い方だ。 一々、カンに触る。 それは、キッカケとして充分だった。 彼女、円成巴の中で、何かが弾けた。 それは、或いは、理性だったのやもしれない。 私は、この女が本当に嫌いだ。 この化野奈津江の強さは、私のこれまでを否定するのに充分な在り方だった。 この女にだけは、負けたくなかった。 気のせいだろうか? 先程から、誰かに見られている気がする。 ……。何故かな?雨音が唐突に消えた。 雲が消し飛んでいた。快晴だ。 ……。悪寒がする。まるで根源的な恐怖が姿を現したような。 今日はやたらと[[rb:団体様 > 四方乃鼎軍団]]を見かける日だ。 ……。気のせいか?前にもこんな事はなかったか? 分かっている。アイツだ。全てアイツが悪いのだろう。 ……。『臨時ニュースをお伝えします』
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