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私らの関係は、拳の語り合った末の友情。真の家族。そういうファミリー的なアレであって。決して、アレとアレがその、ちょめちょめするような感じのふしだらなアレではなくてその。いや、その行為自体を否定するわけではなくてですね。アダムとイヴっちゃう的な神聖行為は容易に『オッパッ』、違う!まだ早い。うん、まだ考えるような段階にすら至ってない。その、…分かるよね?
「ないわー。男女間の友情とか蟻と象さんのセックスくらいないわー」
「男と女なんざ、ヤるかヤらないかの二択しかないわー。童貞拗らせて頭までミルク回ってんなベイビー」
「おま、曲がりなりにも女が何つうこと口走ってんだよ」
じゃあ、お前はどうなんだよ。
「アタシ?勿論、いつだってその気だし。因みに〜、晃ちゃんなら性別やら年齢とか関係無しに股開くけど。いや、毎度誘ってんじゃん」
淫乱に聞いた私が馬鹿だった。
さっきから、なんの茶番だ。
そろそろ本題に入って欲しい。
すると、彼女は虚をつかれたような顔で見返してきた。
まるで、本当に分かってないの?と言いたげにだ。
「[[rb:晃は本当に良い子だね > 育て方間違えたかな]]」
「まあまあ。いっちょ、想像してみ」
急に、表情が優しくなった。
「こんな未来もあるかもとか」
ん。例えば、こんなのとか。
それは、とある年の暮れ。
やっと予約のとれた某レストラン。
ワインを片手に見つめ合う二人。
向かいに座る彼女は、目を逸らさずに薄く笑う。
仄かに甘く上気した肌。
情欲に濡れた瞳。
潤んだ唇は愛を咥えて。
だから、私は彼女の耳元へそっと囁く。
ゆっくりと距離を縮めて。
秘め事を企む子供たちのように。
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