知らぬ仏より馴染みの鬼、好きの線引きってなんですか?

5/12
前へ
/12ページ
次へ
私らの関係は、拳の語り合った末の友情。真の家族。そういうファミリー的なアレであって。決して、アレとアレがその、ちょめちょめするような感じのふしだらなアレではなくてその。いや、その行為自体を否定するわけではなくてですね。アダムとイヴっちゃう的な神聖行為は容易に『オッパッ』、違う!まだ早い。うん、まだ考えるような段階にすら至ってない。その、…分かるよね? 「ないわー。男女間の友情とか蟻と象さんのセックスくらいないわー」 「男と女なんざ、ヤるかヤらないかの二択しかないわー。童貞拗らせて頭までミルク回ってんなベイビー」 「おま、曲がりなりにも女が何つうこと口走ってんだよ」 じゃあ、お前はどうなんだよ。 「アタシ?勿論、いつだってその気だし。因みに〜、晃ちゃんなら性別やら年齢とか関係無しに股開くけど。いや、毎度誘ってんじゃん」 淫乱に聞いた私が馬鹿だった。 さっきから、なんの茶番だ。 そろそろ本題に入って欲しい。 すると、彼女は虚をつかれたような顔で見返してきた。 まるで、本当に分かってないの?と言いたげにだ。 「[[rb:晃は本当に良い子だね > 育て方間違えたかな]]」 「まあまあ。いっちょ、想像してみ」 急に、表情が優しくなった。 「こんな未来もあるかもとか」 ん。例えば、こんなのとか。 それは、とある年の暮れ。 やっと予約のとれた某レストラン。 ワインを片手に見つめ合う二人。 向かいに座る彼女は、目を逸らさずに薄く笑う。 仄かに甘く上気した肌。 情欲に濡れた瞳。 潤んだ唇は愛を咥えて。 だから、私は彼女の耳元へそっと囁く。 ゆっくりと距離を縮めて。 秘め事を企む子供たちのように。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加