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未熟な愛の果てに破局へと至る関係をみて人間らしいと感じるくらいだ。
分かっている。
分かってはいるのだ。
私が、多少ズレていることも。
何かを拗らせているだろうこともだ。
しかし、納得出来ないのは仕方ないのだ。
他人に合わせる器量はあっても自身の心に応えるのとは別の話だった。
そんな事よりも気になる事はある。
確かアイツはこうも言ったのだ。
私の頭には、枷がついている。
最近、体の調子が優れない。
不意に、妙な倦怠感がやってくる。
始めの頃はてっきり、急激な生活リズムの変化に無意識ながら戸惑っているのだと思っていた。
じきに治るだろうと。
だが、一カ月経つも調子は戻らずむしろ日を追うごとに悪くなっている。ような気がした。
恐らくだが、来年まで生きてもこれは変わらない。
私には、幼い記憶がない。
家族の顔も知らない。
化野奈津江が私の全てだった。
それは、新しく家族が増えた今も変わらない。
これからも、変える気もしないのだ。
全て奈津江から貰った。
そこに疑問はなかった。
奈津江が答えだった。
恐らく、奈津江はこの結末も全部知っているのだろう。
私の不調のわけも。
私がこれから選択する未来も。
きっと私の全ては奈津江の掌の上なのだ。
その上で、私自身に何かを選ばせようとしている。
何気無い過程にこそ目を向けろとあの目が語る。
例え、分かりきった結末であったとしても。
後悔のないように、私らしくあれるように。
好きって何だろう。
答えはまだ出ない。
何故かな?
考えるといつも違う顔を思い浮かべる。
「まあ、[[rb:嫌い > 好き]]じゃないか」
私事ながら優柔不断だとは思っている。
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