知らぬ仏より馴染みの鬼、好きの線引きってなんですか?

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この想いはオマエの想定通りか? それとも、予想外だったりするのか。 まさか、何も考えてないのだろうか。 私はこれからどうなるのだろう。 漠然とした不安が未来を曇らせる。 なんてことはない、誰かに笑われた気がした。 やっと、当たり前を手にした。 それだけのことじゃないか。 『好きにしなよ』 誰かにそう言われた気がした。 考え事が口に出ていただろうか。 雨音がそんな風に聞こえたのかもしれない。 雨は相変わらずでやむ気配もない。 覚悟を決めて走って帰ろうか。 今は、そんなに体調も悪くない。 少しくらいなら平気だろう。 私が意を決して雨の中に飛び出したその時だった。 「よっ!迎えに来たぞ。濡れ鼠」 雨で不明瞭な視界の中、見知った顔がそこにあった。 傘を持った知人が目の前に立っていたのだ…コイツ、最悪である。 何故、あと五分早く現れなかったのかと思うも八つ当たりだと自覚した。 なんか、急に馬鹿らしくなった。 人生なんてそんなものだろう。 空気を読まない。混沌である。オチも謎。 ハッピーエンドでもなければ、スタッフロールもない。 勿論、トイレ休憩も無しだ。 ポップコーンはあると嬉しい。 そんな私を横目に、赤い鬼は薄く笑うのだった。 私の名は、奈々弥美晃。 胸中に渦巻くこの想い、心地好いと嘯くには経験も足りず足掻く毎日であるが。 「我が胸中に成竹有り」 「ん。何か言った?」 迷わずと嘯くこの生き方を、早々変えられそうにはないのだった。                おしまい ○ それは、赤鬼が意中の彼に相合傘を提案したころ。 後方、少し離れた家屋の屋根に二つの影があった。
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