3.せおちゃんのパンツは……じゃない、ドッキリ大成功だった!

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3.せおちゃんのパンツは……じゃない、ドッキリ大成功だった!

 お嬢はその長髪を風に(なび)かせ、朝からふざけ倒すおかみとせおちゃんに挟まれ、学校までの道のりを歩いていた。 「そういえば、おかみ、あのスケッチブックに書いたのってあれだけ?」 「違うよ。ほら!大失敗用もあるの」  そう言って差し出されたスケッチブックには、ピンクの丸文字で可愛らしく、「ドッキリ大失敗。てへっ」と書いてあった。仰々しくデコレーションされてあり、文字があまり目立っていない。  レイアウトも大失敗のようだ。 「さっきそっち出すべきだったろ」 「それとね、『せおちゃんのパンツは白』っていうのもあって」 「出すタイミングありますか?それは」 「私がスカートまくられた時用に……」 「じゃあさっき出せよ」  おかみのとぼけた調子に、この二人ではドッキリは成功しないなぁ、と苦笑していると、せおちゃんが淡々と、お嬢を驚嘆させる告白をする。 「ちなみに今日は履いてないわ」 「聞いてないわ……って、え?」 「まあ、嘘だけど」  そのドッキリに、眼を白黒させてせおちゃんを見つめるお嬢に、せおちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべる。  お嬢を挟んで左側にいるおかみに、「ほら、おかみ」とスケッチブックを出すように言ったせおちゃんは、どこか満足げだ。 「あっ、そっか!」    せおちゃんの大成功したドッキリを飾るべく、夜なべして作ったスケッチブックを掲げて、おかみは声高に叫んだ。 「じゃじゃーん!『せおちゃんのパンツは白』!」 「大成功だよ……!」  渾身の一言で判明した今日のせおちゃんのパンツの色に顔を覆うお嬢と、一仕事終えた顔で胸を張るおかみ、無表情に戻ったせおちゃんの三人は、いつもの曲がり角に差し掛かる。 ――その時だった。
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