第一章 餓狼と野良犬

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 翌日。  騒がしい程のノック音に起こされた。 「いや翌日じゃねぇ、昼だ」  誰だなんだこんな昼から。   そんな気持ちで一階へと降りる。  なんかの予定でもあったか?うんん~~。  ドアノブに手を付け引っ張る。 「どちら様・・・あっ!」 「遅いです!先生!何時間待たせてるんですか!」 「あ、いやな、昨日は徹夜続きだったんだよそれで」 「それでもです!稽古の事を忘れて欲しくないです!!」  さらさらとした金髪。長い髪の毛は背中まで伸びている。  水色の瞳。そして高く見える運動服。  彼女の名はエリザベート・アルフェイン公爵家令嬢だ。年は14だ。  地位が高い人物が何故俺に関わっているのは剣術指南をしているから。  副業の一つだ。余談でツッコミたいが副業に沢山あると思ってくれ。後本業の稼ぎが少ない!!副業の方が稼ぎがいいんだがな! 「先生?」 「あ?すまん抜けてた」 「抜けてた??」 「魂に決まってる」 「?!」 「冗談、冗談だからな・・・・嘘だからな?!神官を呼ぼうとするな!てか護衛!本気で神官に連絡を取るなよ!」  ブラックジョークでも通じてくれや!  後頭部を軽くかく。ボケが通じないのが残念がるが俺は庭に歩く。   「着替えなくても良いんですか?」 「ん~・・・さっき起きたばかりだしな、まぁこのままで良いぞ俺はな」  今の服装は、寝巻きだ。恥ずかしいわこれ  寝ぼけてるな完全に。   「すぅーー・・・・俺が着替えるまでに素振り!」 「分かりました。」  急ぎ足に家の中へと飛び込む行きよいで入る。  服装は何時ものでいいか。軍服と鎧が合わさった様な服だ、いや服なのか?分からん。  黒が意識された服だマントがない方のな。  庭に付く。庭とゆうより訓練所なんだがな。  中央には剣を腰に付け手を組んでいるエリザベートが居た。どうやら怒っているみたいだ。てか何処から剣を出した?  壁に目をやると一本の木刀が掛けられているのが目に入る。 「着替えたぞ~」 「二分!二分遅いです!戦争なら上司に叱られます!」  ここは戦場か。  教えて貰ってる側なのに態度がデカイのは仕方ないか。  貴族は上の者だ下にいる者がいると見下すそれが人間だから仕方ない。 「さて、どうから打ち込むんだ?」 「そうですね、って口車に乗り欠けましたよ。では行きますっ!!」  話術に乗るかと試したが聞かなかったか。  冷静に怒っているのか分からない。エリザベートは腰に付けていた剣を抜く。  剣はサーベル型だ。ちょっと特殊な刃であり肉を容易く切り裂く事が出来る様に複数の薄い刃が何枚もの重なっている。  先手を譲るか。  エリザベートは剣を構えて摺り足で少し前に動く。  俺も合わせて動く。  俺は右手を少し突き出す様に前に出し左手は守るように出し構えを取る。 「「・・・・・・・・」」  細いな刃。太陽の光で見えなくなりそうだな   「はぁっ!!」  首元を狙った右横凪ぎを放たれた。当たる寸前に左手で刃を摘まむ。右手の甲で片手を狙う。エリザベートは刃から離させようと柄をひねり刃を手から離す。俺を一度蹴り距離を取るエリザベート。靴にスパイクを仕込んだか。蹴られた場所右肩の服に穴が空いている。右手の拳を解き指を折り指と指の隙間を閉じる。 姿勢を低くしエリザベートに殴る。剣先で弾かれ反撃され、ない。またも距離を取るエリザベートの頬に切り傷が滲み出ていく。 「罠に気付いたか」  右手はお取りで左手が本命に気付いたと言うことだ。右手が防御し左手が本命の攻撃って事だ。   「次行くぞ~」 「はいっ!!」    その後十分後。 「はぁっ、はぁっ・・・・」 「五十勝ゼロ敗、俺がな!」  俺は腕を組み笑う。膝に手を付けて息を整えるエリザベート。  彼女の戦い方は正々堂々とした戦闘スタイルだ──スパイクは、見なかったいいな?──。  綺麗な太刀筋と足さばきだ。その故に先が読みやすい。フェイントとか騙し討ちをせず逆にフェイントに黙れ易いんだよなこいつ。 「さて、指導と行こうか」 「はぁはぁ、分かりました」
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