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馬車に揺られ数日。
エミはワクワクしている。まぁ王女としてではなく俺の姪っ子としてなるが。
フェエレル都市は第二の王都と呼ばれる程賑やかで犯罪率が少し高い大都市。
都市名の意味は花の名前で花言葉として『繁栄と栄光』の意味合いで付けられた大都市だ。
馬車で都市を囲う様に作られた壁の中に入って行く。
壁の中に入ると活気に溢れていた、老若男女の獣人、亜人がいる。エミを見ると窓越しで活気に溢れている人々を見て微笑んでいた。
「楽しいか?見ているだけで」
「・・・・(こくこく)」
楽しいのか、その気持ちが分からんくでもない。
にしても。
連続殺人鬼が居るのに活気が凄いのが気になる連続殺人鬼いるなら人々は都市から逃げるだろうが。
「まるで連続殺人鬼は居なかった様に見えるな」
「・・・(考えて少し間を開けて頷く)」
多分だが貴族が秘密にさせているのだろう。後はまぁ、ここにある闇ギルドから情報を仕入れるか。
そして、馬車の中から唯一心に残ったのは活気に溢れ過ぎている事だった。
闇ギルドマスターが乗った馬車はガタガタと揺らしながら裏町外に行く。
裏町外とは、犯罪者が多い事を意味だ。
(貴族の馬車か?護衛いねぇ、襲ってくれって言ってるもんじゃねぇか)
「あの馬車をやるぞ」
「あ、兄貴マジすか?他のにしましょうよ」
「良いだろうが!他の貴族に売りゃあ良いんだよ!!」
無論犯罪者が馬車を襲う。
だが襲って来た犯罪者は容赦のない細い糸に首を巻かれ上に巻き上がられる光景が続く。
中には、腐った部分と良い部分、寄生虫がいる。
腐るのは主に貴族、良い部分は平民そして寄生虫とは、偽善と犯罪者である。
「寄生虫多いなぁ、腐ってる所があるかもな」
小さな声は馬車の走る音で消される。
そして馬車は止まった。
「付いたか」
俺とエミは立ち上がり馬車の扉を開ける。
外には左右に別れ頭を下げた如何にも厳つい男達がいる。これを見たエミは俺の後ろにぴゅ~と隠れる、俺はエミのローブを深く被らせる。第一王女がこんな所に来るとは思わないだろう。
小さい看板には白竜が白い兜を噛む看板が飾っていた。
ここは、派遣闇のギルドの『白龍と白騎士』の本部だ。
「「「いらっしゃいませ!ギルドマスター!!」」」
本部の前に左右に並ぶ男達の中心に白い軍服を着た白髪金瞳の少年ニコニコと立っている。
少年と俺は両者同じくして歩く。少し遅れエミもチョコチョコと俺の背後に付いてくる。
頭を下げた男達の丁度中心で両者が丁度足を止める。少年から手を出す。
「久しぶりです、ギルマス殿」
「おう久しぶりだな、白(はく)」
「えっと、何年ぶりだっけ?」
「あー・・・・五年振りか?」
「もう五年?速いね~時間の経過って」
「・・・・!(クイクイ)」
ん?
エミが俺の服を引っ張っていた。多分だが『この人は誰?』って言ってるのか。
「エミ、こいつは『白龍と白騎士』のギルドマスターで俺のギルド初期メンバーの七人のうち一人だ。
名前は白(ハク)だ。
初期メンバーの中じゃあ最年少だ」
「ありゃりゃ紹介されちゃった」
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