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だ れ ?
その人は私の前に、現れた。
両目を斬られたせいか、うっすらとだが黒い鎧を着込んだ人が私の前に立ち上がっている。
私は、私は違う、『私達』はこの人に助けられた。
「・・・・?!」
「・・?・・・・・・・・・・・・・・・」
な ん
て い
て
い ってる
かわ分からない、でも。
き ぼ
う
だと思う。
俺は、ハルカイを追ってここまできたが、いやはやこうなっているとは。
いや前々から分かっていたこの豊満な贅肉豚野郎が餓狼のハルカイで都市を貶めた事事態していた。まぁ半年前丁度って分かっていたがまさかこうなっているのは思わなかったが。
豚野郎がワナワナと俺を指差した。
「く、く黒鬼だと?!・・・・いや待て、待て待て!『国滅ぼしの黒鬼神』か?!」
ありゃ?そんな噂、残ってたかいやま古い名前だからなぁー~。
その言葉で他の四人が一歩下がる。
少し後ろを向く。
ハルカイは片手はなく背中は無数の刺し傷があり、そして目と耳が酷く斬られていた。
彼女に防護壁魔法で囲い治癒魔法を複数掛ける。中で俺は彼女が過去に何が合ったか全て見た・・・・。
「そんな事をしていたか~・・・・ふぅ~ん・・・・・・・・。かははっ!
決まったお前達は殺処分対象、てめぇら地獄行きだ」
腰に書けていた刀を抜いた瞬間、音全てを消し去り抜く。長く壁に当たるか当たらないかの長さ(天井と壁共に約2mの広さ)を横にソッと構える。
この刀は『無音鬼刀(むおんきとう)』と言う使用者以外の約30mの効果範囲内の全てを消し去り斬る太刀である。
一歩前に進む。足音なく地面が砕け散り宙を舞う。
一歩。もう片方の足を進む。空間が歪む。
一歩。声をそうとする豚野郎達は声が出ないことで驚く。
「死を送ろうて、死者は汝らを捕らえよう」
言葉と共に地面から無数の骨の腕が豚野郎達の足に掴む。
「死は楽となかろう。生は消え去り新しくなるだろう」
一歩。そして豚野郎達が太刀の範囲内に入った。
遅い横の一閃。
容易く避けれる一閃。だがその一閃は違う『何万と言う一閃』が放たれたのだ。
超人だろうが最強が見抜けない程の太刀の刃。
風切り音や構える際の音も消え去った。
「死を持ち去りたまえ」
そしてその一閃が、豚野郎達を切り裂いた。
紙を斬るかの様に斬った。
そのまま太刀の刃は壁おも切り裂いた。
太刀を鞘にしまう。
そして空間が巻き戻るかのように戻る。
バタ。
時間が遅れたかの様に切り裂いた所からずれる様に上半身と下半身と別れる様に傾く豚野郎達。地べたに伏せられる。
血渋きが起こらず豚野郎達は死んだ、いや豚野郎は生きている何故か?それはまぁ貴族ってこともあるが汗を刃に着けたくなかったそれだけだ。豚野郎は腰を抜かしお漏らしをしている。
「ひ、ヒヒィィィィィ!!!」
ん~男の悲鳴は嫌いだ女の方がマシだな。
後もう一つの理由で生かした。
彼女、ハルカイに近付く。
防護壁魔法を外す。
血溜まりの中心で丸く成って震えているハルカイを見つけた。
「っっ!!!!」
あー~・・・確か狭い所駄目だったか。
少しやらかしたか。
何となくだが俺は彼女の背中をトントンと優しく叩き撫でる。落ち着かせる為だ。
「言葉は通じるよな?」
「・・・・」
言葉が分かるのか少しだけゆっくりと頷く。落ち着いたか震えは収まり上半身が起き上がる。
「そうか、ならあいつを殺せるよな?」
「ガ、ガぁア??」
「あ、いやまぁ混乱はするよな(そうだった非常識のギルメンと同じ扱いしちゃったか失敬失敬)」
少し失態したが咳き込み俺は腰に下げていた小刀を鞘ごと彼女前に差し出す。
「この小刀であいつを殺せ」
「ァ・・・・ゥ・・・・」
小刀を拾い鞘から抜くハルカイ。だが手がテンカン症候群の様に震え目は限界まで瞳孔が開き焦点が定まらずにいた。
「トラウマを乗り越えろ」
「・・・・」
「お前のトラウマは何だ?姉妹を共食いにされ自分が生き残り殺りたくない人食いをさせられた・・・・お前のトラウマはなんだ?」
いや、俺でも分かるこいつのトラウマは『殺す事』だ。
したくない殺す事をさせられる事がトラウマ。
俺自身も過去にトラウマが1個あったが乗り越えたから言えた事だ。
「立ち上がり、構えろ」
操り人形の様に立ち上がり両手で持ち構える。
その手は獣の様な手ではなく人として普通の手が小刀を構えていた。
「ア、ァァアァアァァ!!ァアァアァァ!」
叫びながら小刀を前に差し出しながら俺の横を通り過ぎる。
殺せ。殺すべく相手を確実に殺せ!
這いずりながら逃げる豚野郎を走りながら小刀の持ち方を逆にし構えて豚野郎の背中を突き刺した。悲鳴の中、彼女は悲鳴を聞こうが聞かまいが刺し続けた豚野郎が絶命しようが刺し続け首に刃を刺し骨や肉を無残にも引きちぎりながら頭部を持ち上げる。
頭部を持った手は獣の手の様になり通常より倍の大きさが頭部を、握り潰した。
彼女に近付き俺は背を向けた彼女の頭部をポンと手を置く。
「汝に名を与えよう、ティンダロス。
我が配下と下れ」
ハルカイ、いやティンは小さな嘆きの泣き声そしてゆっくりと頷ぎ小さな嘆き声が大きくなり大声で泣き叫び俺に抱き付く。仕方なく俺は背中をポンポンと優しく叩き撫で回す。
ふぅー・・・・これで依頼達成、あーそれとギルドメンバー登録と居場所確保、は俺が用意ができる。後は身分証明書、教育、親元は俺でいいか、戦闘指導も以下同文・・・・。
あれ?あいつ、こいつを捕まえて仲間にしろって聞いたが報酬、書いてなかったな、あれ?まさかな、まさか、あははははははは。
「騙された?いやいや、まさか」
「・・・・すぅ・・・・ふぅ・・・・」
「あれぇ?なんか寝ちゃ・・・・・・・血めっちゃ付いてるゥ~(小声)」
同時時刻。
王都では内戦が勃発していた。
だが被害を最小限に抑えられた内戦。衛兵や騎士、雇われた正当ギルドメンバーが応戦していた。
内戦いや反逆戦争が起きていたのだ。
一人の公爵貴族の一人とその貴族の名はロートゲンウィス公爵家さらに下級貴族の何十人かが反逆していた。
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