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もう一度直前にメールで連絡することを約束し、五人は駅で解散した。
それから一週間後、まどかの元に吉野からの招集メールが届き、続いて有吉からもメールがきた。
――約束より一時間早く、学校で会えないか。
そのたった一行のメールを読んだとき、まどかの耳の奥で「どくん」と心臓の音が響いた。
こうして有吉から個人的に呼び出されるのは二回目だ。
思い出が一瞬で高校時代にフラッシュバックする。
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高校二年から三年にかけて、まどかの片思いの相手は有吉だった。
彼はいつも人の中心にいた。
それは、小学校の時に始めたという水泳で色の明るくなったサラサラの髪のせいだけではなく、すでに百八十センチ近くの長身と、整った面立ちにくわえ、人懐こい性格だったからだ。
長い前髪を真ん中からかきあげる癖に、よく目を奪われたのはまどかだけではないはずだった。
まどかはクラスが別で、有吉との唯一の接点は軽音部だけだったが、体育の合同授業や学年集会では、常に視線で彼を追いかけていた。
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