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二年生の時には、ただ遠巻きに見ているだけだった。
しかし、部活でも極力普通に振る舞っていたはずなのに、三年になってみちるが同じクラスになると、『まどかは有吉が好きなんでしょ。大丈夫、私に任せてよ』と、一瞬にして見抜かれてしまった。
その時から、まどかは部活のミーティングで彼と二人きりにさせられたり、みちるは山口と有吉を誘い、四人で花火大会に行ったりした。
だが、みちるの援護も虚しく、有吉が側にいると、まどかは極度の緊張から途端に口数が少なくなり、必要な会話以外はほとんど交わせずにいた。
みちるはそんなまどかを歯がゆい思いを募らせていたのだろう。
ある時、まどかに迫った。
「あのね、私はお節介なんかしたくないよ。でも、何かもどかしいのよね。もう、好きなら告ればいいのに! 有吉は王道イケメンだし、バカじゃないから狙っている子、かなりいるよ。いいの? 誰かに取られても」
姉御肌のみちるは、ショートカットの頭をぶんぶんと振りながら「煮え切らない! 煮え切らない!」と、繰り返す。
まどかは悪いと思いつつも正直に打ち明けた。
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