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知恵のもっとも爺参号
節分、季節の変わり目に
「鬼は外、福は内」
と叫ぶ人間に対し、
「ごもっとも、ごもっとも」
と連呼しながら現れます。
「所で人間よ。福とは何かな?」
「何故、鬼を忌避するのかな?」
「赤鬼がお嫌いか?」
「菓子折り持参は怪しいか?」
などと問いかけてきます。
納得のいかない問答とみるや、
巨大なすりこ木で襲いかかってきます。
男性なら、「子孫繁栄!」と叫びながら股間にすりこ木を差し込み空にぶち上げます。
女性なら、「子宝万歳!」と叫びながらやはりすりこ木で尻を叩きます。
逃げると、「もっともー!」と叫びながらどこまでも追いかけてきます。
問答に納得すると、甘い蜜柑を沢山くれます。
尚、鹿児島出身なのか鹿児島弁を話せる人には甘々である。
が、鹿児島弁を喋れない鹿児島県民には、例え問答に満足しても腐った蜜柑を投げつけてくる。
そう、彼女こそはもっとも爺参号(付け髭)なのだ。
節分とは本来、季節の切り替わる時期を指す言葉。
努努、油断なさらぬように。
鼎は、どこにでもいるのだから。
鼎を一匹見かけたらあと三十匹は潜んでいるのだから。
そして鼎ある所に、もっとも爺の影有りなのだ。
果たして、人類に安息の日は訪れるのだろうか?
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