知恵のもっとも爺参号

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知恵のもっとも爺参号

260b2e6f-c0fd-4a13-811f-addcb459c2bf 節分、季節の変わり目に 「鬼は外、福は内」 と叫ぶ人間に対し、 「ごもっとも、ごもっとも」 と連呼しながら現れます。 「所で人間よ。福とは何かな?」 「何故、鬼を忌避するのかな?」 「赤鬼がお嫌いか?」 「菓子折り持参は怪しいか?」 などと問いかけてきます。 納得のいかない問答とみるや、 巨大なすりこ木で襲いかかってきます。 男性なら、「子孫繁栄!」と叫びながら股間にすりこ木を差し込み空にぶち上げます。 女性なら、「子宝万歳!」と叫びながらやはりすりこ木で尻を叩きます。 逃げると、「もっともー!」と叫びながらどこまでも追いかけてきます。 問答に納得すると、甘い蜜柑を沢山くれます。 尚、鹿児島出身なのか鹿児島弁を話せる人には甘々である。 が、鹿児島弁を喋れない鹿児島県民には、例え問答に満足しても腐った蜜柑を投げつけてくる。 そう、彼女こそはもっとも爺参号(付け髭)なのだ。 節分とは本来、季節の切り替わる時期を指す言葉。 努努、油断なさらぬように。 鼎は、どこにでもいるのだから。 鼎を一匹見かけたらあと三十匹は潜んでいるのだから。 そして鼎ある所に、もっとも爺の影有りなのだ。 果たして、人類に安息の日は訪れるのだろうか?
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