初恋を拗らせてしまった件。

大学生(桜井Side)

その頃から俺は自宅近くのこじんまりした個人経営のケーキ屋でバイトを始めていた。

特にサークルにも入ってないから時間に余裕が有って、何より卒業後直ぐ父が代表取締役を務める会社に入るので、その前に普通のバイトを経験しておこうと。

ケーキ屋を選んだのは、俺がケーキ他スイーツ作りが大好きだから。
フランスに留学していたのも、本場のプロの元でパティシエ修行がしたかったからという理由。
会社継がなくていいならパティシエになりたかったくらい。

だから俺が父の仕事継いだら、絶対にチェーンのカフェ経営をしたい。
うちの会社は冷凍食品から菓子、スイーツまで幅広く製造販売している為、自社の菓子を活かしたスイーツとか！食材活かしたフードメニューとかを手軽に食べられる、気軽にフラッと行ってまったりホッと出来るカフェを…
ついでにそこで売るケーキやデザートを俺が考案出来たら最高w

だからケーキ作りも手伝わせてもらえて、接客も出来る個人経営のケーキ屋がバイト先にもってこいだった。

そのバイト日は、取るコマが少なくて昼には授業が終わる木曜日の昼過ぎからと、大学休みの土日に朝から入らせてもらう事になっている。

こじんまりしたケーキ屋でも、住宅街だから近所の人がよく来るし、常連客も多い。
そもそもこの店は1つ1つの単価が安い。特にシュークリームとエクレアは、税込みで1つ100円という値段設定なので、おやつ時に子供がよく買いに来る。
店長の人柄がほんわかしていてそれもまた良く、地域密着型のいい店だ。

そのバイトを始めて1ヶ月程経った頃、木曜日の夕方俺のバイト中に高校生くらいの女の子2人組がバースデーケーキの予約をしに来店した。