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ケーキの話をした翌日の土曜日朝仕事に行ったら、駅方面まで続いてそうな長い行列が、まだシャッターが閉まっている店の入口から出来ていた。
比較的若い人が多そうだけど、男女比は半々くらいか?
訳が分からず取り敢えず店の裏からケーキを作る厨房に行くと、店長と奥さんと知らないおじさん2名程で、慌ただしくケーキやシュークリーム等を大量に作っていた。
「おはようございます」
「ああっ!桜井くん!大変なんだよ!」
「どうしたんです?あの行列…」
「Makotoのブログに載ってたケーキを作ったのが桜井くんだったんだろ?それのカットケーキを昨日買いに来てくれた桜井くんの大学の友達?がTwi*terで「Makotoくんのブログに載ってたケーキ売られてますよー♡」って呟いたのがバズって大変な事に…!」
「ぅえっ!?」
「ほら!」
店長が慌てた様子で見せてくれたスマホの画面に、確かにそれが写真付で投稿されていて、RT156万、♡470万の阿呆みたいなバズり方をしていた。
「えぇぇぇっ!!?すみませんっ!!!」
「いやいや、桜井くんが謝る事じゃ無いよ。ただ今日はお店が凄い事になりそうだから、僕とこのおじさん達が今日はずっとケーキ作りしてるから、うちのにレジやってもらって、桜井くんはこれ持って最後尾で客整備して」
「あっ、はい!」
店長に【最後尾】と書かれた即席のプラカードを手渡され、店の制服に着替えてから外に出て店の最後尾を…
辿ってったら、店は最寄り駅から徒歩7、8分の所に在るのに、駅まで列が続いていて、駅前で列を求めて人がごった返していた。
そして既に巡回の警官数名が「駅前で立ち止まらないように!」と整備?をしていた。
えぇぇぇぇぇ…
取り敢えず店長に電話…
『はいっ!』
「店長どーしましょう?駅まで列続いてる上に並ぶ場所が無くて駅前ごった返してるんですが…」
『えっ!!?』
「1人ケーキいくつまでとか…なんか制約付けた上で販売した方が…」
「君、行列のケーキ屋の従業員か?」
店長と電話で話していたら、最後尾のプラカードを持った俺に気付いた警官が1人声を掛けてきた。
「あ、はい。そうなんですが…
この行列どうしたら…」
「困るよ、行列が出来るイベント事をやるなら、前持って届け出てくれないと」
「えっ!ちっ違いますよ!!イベントじゃなくて普通の営業日なんです!」
「じゃあなんでこんな酷い事になってるんだ?」
明らかに怪訝そうな警官に理由を説明したら、流石に理解は早かった。
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