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俺が恨めしい視線を向ける先に居る金田さんは、石川から漫画を受け取り、一緒に来た友人達とそれに目を通した。
「ああ、これか、昨日の羞恥プレイというのはw」
「ウケるwwこれ、まこちゃん今まで無自覚だったとかwww」
「昨日はなかなか稀に見る凹みっぷりだったが…w面白いじゃないかw」
…シレッと「自分しか知らない真」でマウントとってくるし…
「まこちゃんらしくてよく出来てんじゃん」
…金田さんと一緒に来た癖っ毛の黒髪の男、どっかで見た事有るなー…?
こいつもなんか真に馴れ馴れしい。
「そうだな。内容的には問題無いだろう。載せてもらって構わないよ」
「本当ですか!?有り難うございます!」
「ただ、確実に「本人の許可は得てますか?」といった内容のコメントが来るだろうから、久保のブログに石川さんのアカウントのリンクを貼って投稿してから、SNSにupしてほしい。石川さんは「矢田プロの許可を得て投稿しています。」と必ず注意書きを添えてもらいたい」
「あっ分かりました!」
「はーい。石川、アカウント教えて」
「うん!」
「金田先輩、それって公式って事になるんじゃ?w」
「そうだな。しかしこれだけプライベートな内容なら、公式認定しておかなければアウトだ」
「確かに…」
「いーちゃん、本物の真くんに纏わる内容はバズり方凄い事になるよ…覚悟して載せた方がいいよ…」
「う、うん、分かった」
一度バズらせて酷い目に遭った渡辺が、経験者の忠告をしていた。
漫画の内容だけ確認したら金田さん達は法学部の方に戻ってったけど…
あの黒髪誰だか確認するの忘れた。
真とも仲良さそうだったけど…
まぁいいや。
どーせみんな真の事好きなんだろ?
本当にどいつもこいつも真の事大好きでさ…
俺以外の真の事を好きな人類全員滅びればいいのに。
真には俺だけ居れば良くなればいいのに。
ガチ恋人の金田さんはさり気なくマウント取ってくるのがすげー腹立つ。
さっさと別れろよマジで。
『分かる。ずっと言ってるけどアイツ全然別れない。
まぁ例え別れたところで桜井にも渡さないけど』
突然誰かが俺の考えに返事をした。
直ぐ近くで、聞いた事が無い男の声で…
驚いて周りを見たけど、それを言ったっぽい男の姿は見当たらなかった。
…黒い事考えてたから変な空耳聞いたのかな…?
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