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試験自体は今月上旬に…」
「あ、マジで?俺も上旬に試験だったんだけど…え、大学どこ?同じだったらウケるw」
「T大の…」
「えっww」
「経済学部」
「マジww一緒じゃんwww」
「えっ!?マジで!?」
「桜井くん?真くんの事知らないの?」
「あ、うん…ごめん、知らなかったんだけど…」
「嘘でしょ!?」
「真様知らないとか…!」
「や…すみません…」
「いや、全然いいよw俺の事知らない人なんて桜井だけじゃなくて世の中にもっと沢山居るからw気にしないでw」
真ファンの女の子達に冷やかな視線を送られて居たたまれず…
いやしかしここで引く訳にはいかない。
大学まで一緒だったなんて…!
…って言うか…
「…そうだ…思い出した、真って…入試の時に大学から校内放送で「久保真さんは別室で試験を行います。」ってアナウンスされてた奴か?」
「あー、そーそーw」
「なる程…!」
別室で試験を受けるのをわざわざアナウンスされるような特別待遇者が居るとか、どういう事なのかと思ってたら…
そういう事か。
真が居ると周りが大騒ぎになるからだ。
教習所での真の周りの様子を思い返して漸く理解。
本当にずっと話し掛けたかったのに話し掛けられなくて、話し掛けられたところで俺はずっと緊張していたのに、真はそんな緊張とか吹き飛ばすくらいフレンドリーで楽しい奴だった。
そしてひたすら顔がいい…っ
ペットボトルのお茶飲んでるだけでも絵になる。
ずっと笑顔で俺にも周りの女の子達にも優しく話し掛けてくれるもんだから、この短時間で好きになり過ぎてどうにかなりそうだった。
しかもコイツ次の教習行く前に使ったテーブルを自ら拭いてくし、ガタガタになった自分の周りの椅子をスマートに直してくしさ、誰かが面倒くさがって適当にテーブルに置きっぱなしにしてった空のペットボトルまで、通過がりでサラッと拾って片手間で周りのパッケージまで外して分別してゴミ箱に捨ててくし…っていう一連の流れを息するように自然にやってく…
こんなに周りに沢山女の子居るのに、絶対女の子より気が利くのでは!?
駄目だ、本当に好きだ…
連絡先すげー聞きたい…!
けど、多分連絡先なんか聞こうもんなら、絶対周りのファンの子達に殺される…
…大学行けば…また会えるから、連絡先は取り敢えずは…
いや、でも、入試の時のアナウンスと周りの落胆した様子に、今までの教習所での事を考えると、大学も学部も例え一緒でも、到底会話する事すら困難なんじゃ…
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